矢野師の育成実ったミューチャリー快挙

2021年11月12日 05:30

競馬

矢野師の育成実ったミューチャリー快挙
地方馬初となるJBCクラシックを制し、ガッツポーズするミューチャリーに騎乗の吉原(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【地方からの風】「先生、凄かったですね」「おーっ、やったね」「おめでとうございます」
 今週の川崎で騎手や調教師からすれ違うたびに祝福の声を掛けられていたのが船橋の矢野義幸師(70)だ。3日に金沢で行われたJBCクラシックをミューチャリーで優勝。21回目の開催で初めて地方馬制覇という快挙を達成したのだ。

 一番の勝因は?記者のストレートな問いには「吉原が乗ったことと前哨戦(白山大賞典)を使ったこと」と即答してきた。

 それまでは末脚を生かすレースで、あと一歩足りない結果が続いていたが、3番手追走という先行策から結果を出した。記者にとっては05年の有馬記念で同じような先行策でディープインパクトを破ったハーツクライの姿にダブって見えた。「コースを知っている吉原の判断が良かった。大井で同じレースができるかと言えばできないだろう。思い切りも良かった」と振り返った。後者には「輸送なども含め、どんな(体の)つくりをすればいいか。調教の加減も分かったし馬の状態をワンランク上げる仕上げができた」と胸を張った。

 思い起こせば2歳時の鎌倉記念をぶっちぎりで優勝。「あの脚を見せられたら…モノが違うのは分かっていた」。そんな同師が常に気にしていたのが父・パイロということ。「産駒が早熟な気がする」ので、じっくり間隔を空け成長を促しながら使われてきた。それが実ったと確信したのが今年5月の大井記念勝ち。「やっと馬が本物になったな。体全体が固まったと感じた」。まさに充実一途の流れでつかんだタイトル。次走「東京大賞典」(12月29日、大井)に向けても至極順調。G1連勝へ、そして昨年5着の雪辱へ舞台装置は徐々に整ってきた。

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