【マイルCS】藤沢和師 最多6勝目、グランアレグリアねぎらう「ご苦労さんと伝えたい」
2021年11月22日 05:30
競馬
「無事終了して、ひと安心ですね。若い頃と違って落ち着きが出ました。しまいはしっかりしているし、あんな位置取り(3角12番手)がいいのかな、と思って見ていました。2歳から5歳まで気持ちを切らさず走ってくれたし、ご苦労さんと伝えたい」
来年2月末で定年引退を迎えるトレーナーはこれまで日々、当たり前のことを手抜きせずコツコツ積み重ねてきた。美浦トレセンにあるJRA通算1500勝の記念碑には「一勝より一生」のモットーが刻まれている。馬を伸び伸び育て、傷めず余力のあるうちに牧場へ返すのが調教師の本分――。スタンスは一切ブレなかった。
「馬を大切に扱えば、いつか恩返ししてくれる」が口癖だ。シンコウエルメス(タワーオブロンドンの祖母)やハッピーパス(コディーノやチェッキーノの母)、レディブロンド(レイデオロの祖母)など自身が管理していた牝馬が繁殖入りし、その子供や孫が重賞ウイナーへと出世。グランアレグリアの子には携われなくても、そんなことは関係ない。「もちろん(引退するのは)寂しいけど、すてきなお母さんになると思うし、楽しみですよ」とエールを送った。大きなアクシデントもなく競走生活を終えて牧場へ。レース後、浮かべた笑みに安どの思いが表れていた。