かつてのお手馬に一矢報いた石橋×シャケトラ
2022年01月21日 05:30
競馬
一方、シャケトラは7番人気。17年の有馬記念(G1)6着以来、約13カ月ぶり、日数にして391日ぶりの出走。骨折による休養明けということで人気がなかった。
さらにアクシデントが同馬の陣営を襲った。出馬表発表時に騎乗予定だった騎手が病気となり、急きょの乗り替わりを余儀なくされたのだ。
ここで指名されたのが石橋脩騎手だった。
さかのぼること約3カ月半。同騎手は他馬の進路妨害により落馬。骨折し、翌週の秋華賞(G1)で騎乗予定だったラッキーライラックはもちろん、年末まで戦列を離脱した。しかしこの年の頭に戻ってくると復帰初戦を勝利。そんな姿が評価されたか代打での鞍上に白羽の矢が立てられた。
「チャンスを頂けたので、結果を残したい」
そういう気持ちで騎乗した石橋騎手。後ろにいたフィエールマンの影におびえることなく自ら進出し、早めに先頭に立った。そして、最後は追い上げて来たフィエールマンを頭差退けて先頭でゴールイン。1番人気に推されたかつてのお手馬に一矢報いる勝利は、復帰後初の重賞制覇でもあった。
さて、こうして復活ののろしをあげたシャケトラは、続く阪神大賞典(G2)も優勝。一転して有力馬の1頭として天皇賞・春(G1)に臨む立場となった。しかし、その盾獲りを目指す調教中に骨折。残念ながら帰らぬ馬となってしまった。
今年のAJC杯はどんなドラマにつながる結果が待っているか分からないが、人も馬も無事に走ってくれることを祈ろう。(フリーライター)