【オークス】サークルオブライフ 逆襲へ抜群脚さばき、国枝師「いい動きだった」
2022年05月19日 05:30
競馬
見守った国枝師はご満悦だ。「あまり時計が速くならないようにしまいだけ伸ばした。いい動きだった」。1週前にもWコースで5F64秒0の猛時計。春3戦目でもこれだけ攻められる理由はそのタフネスぶりにある。番頭格の鈴木助手は「食欲が旺盛で食べ過ぎるぐらい食べる。アパパネもアーモンドアイもそうだった。精神的にタフな馬」と厩舎が育て上げた3冠牝馬2頭を引き合いに出してその頑強さを解説した。国枝師も「これから、その2頭の域にいけるようになってくれれば」と今後の成長を思い描く。
師は勝てば牝馬限定JRA・G1・12勝目。松田博資元調教師に並んでグレード制導入以降最多の記録となる。特にオークスは現役唯一の2勝を挙げ、近4年で1着1回、2着2回と攻略法を知り尽くす。「牝馬は繊細な馬が多いので気分を損なわないようにすることが大切」。いつだって和やかな空気が流れる国枝厩舎ならではのしつけを施された牝馬は、未知で過酷な東京芝2400メートルにも平常心で対応できる。重賞全61勝のうち26勝が前走からの距離延長(同距離25勝、短縮10勝)でつかんだもの。“牝馬の国枝”は距離延長の達人でもある。
圧倒的内枠有利の馬場コンディションだった桜花賞は外枠勢で唯一、気を吐く、負けて強しの4着。昨年のユーバーレーベンに続く連覇が懸かるM・デムーロは「前走は枠が厳しかったし前も止まらなかった。それでも最後まで頑張っていたし偉い馬です」とパートナーへの信頼を口にする。2歳女王が名誉挽回に準備万端。樫の女王の座は譲らない。