ジャパンCの道をたどり猛スピードで成長する香港競馬
2022年12月14日 12:00
競馬
そこまで徹底した管理態勢を敷きつつ、世界各国から多くの出走馬関係者とメディアを招待した香港競馬界。開催への本気度が伝わったかのように香港ヴァーズを除く3競走を地元・香港馬が制した。特にジャックドール、パンサラッサ、ダノンザキッド、レイパパレ、ジオグリフの日本馬精鋭5頭がエントリーした香港カップはロマンチックウォリアーが4馬身半差の圧勝。スプリント、マイルも日本勢に付けいる隙を与えない内容で“香港馬強し”をアピールした。
以前、「日本の競馬界を手本にしなければ」と話したのは香港の名伯楽ジョン・サイズ師(68)だった。18年8月、中国本土の広東省に従化区(ツォンファー)トレーニングセンターが完成。今年の香港国際競走で活躍した馬たちは若駒時代から立派な坂路でトレーニングを積んできた世代だ。イメージがかぶるのはジャパンC。設立からしばらくは欧州勢の強さにひれ伏すしかなかった日本競馬サークルだったが、少しずつその差を詰め、今では日本馬が上位を独占する一戦となった。香港国際競走も同じ道をたどるような気がする。
21/22年シーズンで過去最高となる約2兆5000億円を売り上げた香港競馬。単一の主催者としてはJRAに次ぐ世界2位。人口1人あたり(香港は750万人)の売り上げは世界1位で、今年の香港国際競走の賞金も大幅にアップした。レース当日はパドックで現地の人気歌手がコンサートを行い、最終レース終了後には競馬場に豪華な花火が打ち上がった。香港勢の大勝利と数々の派手なイベントに大満足の様子だった現地のファン。「同じアジアに大変なライバル国が現れた」。そう思わざるを得ない光景だった。