【競輪記者コラム】スタート徹底分析!ギアや“イメージ戦略”も大事!?

2024年06月06日 18:51

競輪

【競輪記者コラム】スタート徹底分析!ギアや“イメージ戦略”も大事!?
スタート猛者表 Photo By スポニチ
 現代競輪で超が付くほど重要視されるスタート。昨年12月のコラムで掘り下げたテーマを、今回はさらに徹底分析した。
 まず、画像にした表を見ていただきたい。スタート猛者表である。レースをスタートから見ることはもちろん、速い人に速い人を紹介してもらい、さらに選手のスタートへの自信度も加味して作成した。初手からの展開予想の参考になれば幸いである。

 SSSランクとしたのは前回のコラムでも取り上げた福永大智(26=大阪・113期)。誰もが知っているS数。そして、ナショナルチームのチームスプリント第1走を長らく務めた雨谷一樹(34=栃木・96期)も「福永君には敵わない」とお手上げ。基本的に誰が相手でも、大外の9番車からでも前を取れる選手だ。スタート輪界No・1で間違いない。

 SSランクは雨谷、大森慶一(42=北海道・88期)、佐藤健太(36=福岡・101期)。大森は昨年の小田原、松戸記念で圧倒的なスタートの速さで前取りし、ラインに貢献した。AAランクで同郷の森田康嗣(42=北海道・89期)も「うちの慶一は速いっすよ」と太鼓判を押した。佐藤健はスタートにかなり自信を持っている。「あまり負けたことはない。速いって言われる人にも勝っています」と堂々。コツを聞くと「よく聞かれるけど、初めて乗った時から早かった」とセンスが抜群なのだろう。加えて、陸上の短距離種目の経験者であることも大きい。Sランクとした佐藤正吾(41=宮城・88期)も陸上100メートルが専門で「下を向いて、100メートルのスタートをイメージしている。似ていますね」と教えてくれた。陸上で磨いた反応は、競輪のスタートに生きる。

 前述したAAの森田は取材をしてランクを下げた。SSランクに位置付けようと思っていたが、本人は「そこまで速くないですよ。内枠の若い子には普通に負ける。イメージが大事ですね。S数が多いと、相手が諦めてくれることがあるので」ときっぱり。速いことには変わりはないが、“イメージ戦略”も大事なようだ。ちなみに森田は「号砲の光を見て出ている。発走員の声のタイミングは結構ばらばら。たまにフライングしている人がいますよね。あれは「ヨーイ」の後に出ようとしたけど、号砲が遅かったパターンですね」と発走機につっかかる選手がいる理由も教えてくれた。

 基本は前回のコラムで福永、雨谷が教えてくれたようにスタートに大事なのは反応。ただ、2、3歩目でリードする選手もいる。AAランクとした石橋慎太郎(41=静岡・88期)はその1人。石橋は「僕はそんなに早くない。ただ、ギアが軽いので2、3歩目でリードできる」と話す。軽いギアなら踏み出しが軽く、発走機を出てすぐに加速できるというわけだ。ギアが軽い選手がいたらスタートに注目である。

 華やかな逃げ切り、鮮やかで鋭い捲りに強烈なブロック。どれも興奮させる迫力と魅力がある。ただ、現代競輪は初手が思い通りにいってこそ。最初の駆け引きであり、技術が詰まったスタートにも注目してほしい。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。

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