【宝塚記念】雨を切り裂く菅原明 ブローザホーン大外一気で人馬G1初V「追ったら伸びる自信があった」
2024年06月24日 05:28
競馬
五分のスタートを切り、道中11番手から。パートナーの末脚を信じて、焦らずに後方で脚を温存した。淀の名物“下り坂”に差しかかったところでスルスル加速。「ゲートを出てから馬と相談しようと。思ったより位置は後ろになったが4角を回った時も(手綱を)持てるぐらい余裕があり、追ったら伸びる自信があった」と振り返る。
直線は迷わず大外を選んだ。重馬場に苦しむライバルを尻目に上がり3F34秒0と出走メンバー最速タイの脚で直線一気。2着ソールオリエンスに2馬身差をつけて、グランプリホースに輝いた。「とても持続力のある脚が魅力。スタミナと操縦性、素直なところも強みですね。まだまだ学ばないといけないことが多いので、この子と一緒に成長していきたい」と目を輝かせた。
01年生まれ、デビュー6年目の23歳。G1で初めて存在感を示したのが22年NHKマイルCだ。18頭立ての最低人気カワキタレブリーで0秒1差3着と見せ場をつくった。「G1で初めて馬券圏内に入り、勝ちが見えたレースでした。今までのG1で一番、印象に残っている」。その悔しさを糧に、ようやく手にしたビッグタイトル。競馬学校の同期では団野(ファストフォースで23年高松宮記念V)に続くG1ジョッキーの仲間入りとなった。「宝塚記念を勝てば、いいアピールになると思っていたので勝てて良かった。もっともっと成績を出したい。G1で信頼されるジョッキーになりたい」。ひと皮むけた人馬の快進撃が、ここから始まる。
◆ブローザホーン 父エピファネイア 母オートクレール(母の父デュランダル)19年5月10日生まれ 牡5歳 栗東・吉岡厩舎所属 馬主・岡田牧雄氏 生産者・北海道新ひだか町の岡田スタツド 戦績21戦7勝(重賞2勝目) 総獲得賞金4億8537万3000円 馬名の由来は「その角笛を吹け」。
◇菅原 明良(すがわら・あきら)2001年(平13)3月12日生まれ、千葉県出身の23歳。美浦・高木厩舎所属で19年3月にデビューし、4月20日の福島6Rタイキダイヤモンドで初勝利。JRA通算4020戦304勝、うち重賞10勝。JRA通算107勝の三浦堅治元騎手のおいにあたる。1メートル63、45キロ。血液型O。焼き肉が好きでニンジンが苦手。