【競輪記者コラム】松戸サマーナイトに見た選手とファンの熱気のリンク 熱意が熱い走りを生む
2024年08月02日 04:50
競輪
![【競輪記者コラム】松戸サマーナイトに見た選手とファンの熱気のリンク 熱意が熱い走りを生む](/gamble/news/2024/08/01/jpeg/20240801s10052000395000p_view.webp)
コロナ下は巣ごもり需要で売り上げこそ伸びていたが、有観客になっても人はまばら。ただ、今回は違った。オールドファンはもちろん、若者カップル、子連れなど。車券はスマホ一つで手軽に買える。それでもさまざまな層のファンが経済的、時間的コストを払ってでも競輪を見に来た。これは真の人気になったといっていい。
ファンの熱意は選手の熱意に変わる。開催中のハイライトは準決後の古性優作のインタビューだった。
3着で決勝入りは決めたが、何もできずの内容に古性はやや不満そうな態度だった。しかし、取得賞金10億円に到達した話になると表情が一変。10秒ほど間を取って冷静さを取り戻し、「元々はお客さまのお金。感謝しかない」と頭を下げた。己の走りでお金をもらっているという自覚。場内の熱量は選手に覚悟を芽生えさせ、パフォーマンスを向上させる。
競輪の主役は選手とファン、ダブル主演だ。ファンが熱く叫べば、選手も熱い走りを披露する。一方通行ではなく、両主演が互いに刺激し合って盛り上がる好循環となる。
松戸の最終日、本場のファン誰しもが興奮していた。間違いなく今、競輪は現場で見る価値がある。競輪きたぞ!もうひと押し!競輪場で画面のその先にある熱意を感じ、そして熱意を送りましょう。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。8月は五輪にオールスターと楽しみばかり。