【競輪記者コラム】松戸サマーナイトに見た選手とファンの熱気のリンク 熱意が熱い走りを生む

2024年08月02日 04:50

競輪

【競輪記者コラム】松戸サマーナイトに見た選手とファンの熱気のリンク 熱意が熱い走りを生む
サマーナイトフェスティバル最終日、多くのファンが来場した松戸競輪場 Photo By スポニチ
 競輪場が生き返った。7月13~15日に行われた松戸サマーナイトフェスティバル。もの凄い盛り上がりだった。売り上げは3日間で64億6833万2900円。目標の55億円を大幅クリア、前年比約118%の大盛況だった。もちろん売り上げも凄かった。ただ、それ以上に、とにかく本場の盛り上がりが凄かった。
 人、人、人。最終日の入場者数7126人。ホームのスタンドは何重もの人垣でレースが見えないほどだった。

 コロナ下は巣ごもり需要で売り上げこそ伸びていたが、有観客になっても人はまばら。ただ、今回は違った。オールドファンはもちろん、若者カップル、子連れなど。車券はスマホ一つで手軽に買える。それでもさまざまな層のファンが経済的、時間的コストを払ってでも競輪を見に来た。これは真の人気になったといっていい。

 ファンの熱意は選手の熱意に変わる。開催中のハイライトは準決後の古性優作のインタビューだった。

 3着で決勝入りは決めたが、何もできずの内容に古性はやや不満そうな態度だった。しかし、取得賞金10億円に到達した話になると表情が一変。10秒ほど間を取って冷静さを取り戻し、「元々はお客さまのお金。感謝しかない」と頭を下げた。己の走りでお金をもらっているという自覚。場内の熱量は選手に覚悟を芽生えさせ、パフォーマンスを向上させる。

 競輪の主役は選手とファン、ダブル主演だ。ファンが熱く叫べば、選手も熱い走りを披露する。一方通行ではなく、両主演が互いに刺激し合って盛り上がる好循環となる。

 松戸の最終日、本場のファン誰しもが興奮していた。間違いなく今、競輪は現場で見る価値がある。競輪きたぞ!もうひと押し!競輪場で画面のその先にある熱意を感じ、そして熱意を送りましょう。

 ◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の29歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。22年は中央競馬との二刀流に挑戦。23年から再び競輪1本に。愛犬の名前は「ジャン」。8月は五輪にオールスターと楽しみばかり。

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