競泳タッパー 正確な技術で距離感伝える「選手の目」
2016年09月15日 08:45
五輪
![競泳タッパー 正確な技術で距離感伝える「選手の目」](/olympic/news/2016/09/15/jpeg/G20160915013359530_view.jpg)
寺西さんが叩くタイミングは木村がプールの壁面に到達する1ストローク手前。近い時は強く、遠い時は軽めに叩いて、木村に距離感を伝える。
視覚障がい選手にとって特に自由形のクイックターンは難しい。「近すぎれば膝が詰まるし、遠ければ足先でチョンと蹴るだけになる」。ちょっとしたズレがタイムロスにつながる。近年パラ競泳はレベルは上がってタッチ差の勝負が増えており、より正確なタッピングが求められている。「タッピングで速くなることはないけれど、タイムをロスすることはある。私のせいで木村の努力を台無しにしたくはない」。寺西さんはレース前、宿舎やサブプールで棒を振ってイメージトレーニングをして備えるという。
心掛けているのは「木村の目になること」。木村の気持ちになって、叩くタイミングを合わせている。木村はそんな寺西さんのタッピングを「安心して壁に突っ込んでいける」と信頼している。