コートジボワール代表のラムーシ監督 強まる更迭論
2013年12月17日 22:57
サッカー
なぜこれほど不人気なのか。理由(1)は国民との意識のズレだ。これは指揮官自身も認識しており「人々は、コートジボワールが世界一の攻撃力があり、全試合に5―0で勝つ必要があると信じているようだ」と説明する。つまり、ファンはFWドログバを筆頭に、世界に誇るタレントがいるのだから攻撃的な試合が見たい。だから「もっとバランスを取る必要がある」と“保守的”な戦いを続ける指揮官に不満を募らせているというわけだ。
理由(2)は結果も残していないこと。今年1~2月に行われたアフリカ選手権は、優勝したナイジェリアに準々決勝で1―2で敗れ8強止まり。大会前にラムーシ監督は「目標は前大会の結果(準優勝)を超えることだ」と堂々と優勝宣言をしていたにもかかわらず、敗退後は「結果は残念だが、負けることは仕事の一部。辞めるつもりはない」。この言動は国民の目に“居座り”と映った。
理由(3)はそもそも実績がないことだ。ラムーシ監督にとって12年5月に就任した同代表が初の指導者業。引退後はフランスで解説者を務めただけでコーチ経験すらなかったため「なぜラムーシ?」(ノール・シュド紙)「協会は研修生を選んだ」(ル・タン紙)と地元メディアから一斉にバッシングを浴びた。同協会のディアロ会長が「監督選びは協会の専任事項」と新人監督を選んだ理由を明言しなかったことも、不信感を増幅させた。
同協会は監督交代を否定しているが、前大会予選突破後にハリホジッチ監督を解任した前例がある。ラムーシ監督は現役時代の03~04年にインテル・ミラノでザッケローニ監督の下でプレー。来年の親善試合の結果次第では批判がさらに高まり、W杯初戦で“師弟対決”が実現しない可能性もありそうだ。
▼サブリ・ラムーシ(Sabri Lamouchi)1971年11月9日、フランス・リヨン生まれの42歳。家族のルーツはチュニジア。現役時代のポジションはボランチで、91年にフランス2部アレスでプロデビューし、オセール、モナコに移籍。00~03年に在籍したパルマでは中田英寿ともプレーした。インテル・ミラノ、ジェノアを経て05~06年マルセイユでは中田浩二と同僚。06~09年にカタールでプレーして引退。フランス代表として96年欧州選手権に出場するなど12試合1得点。解説者を経て、12年5月にコートジボワール監督に就任。
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