イタリアのいないW杯 ミラノの悲劇…60年ぶり敗退で現実に
2017年11月15日 05:30
サッカー
![イタリアのいないW杯 ミラノの悲劇…60年ぶり敗退で現実に](/soccer/news/2017/11/15/jpeg/20171114s00002009396000p_view.jpg)
敵地の第1戦で0―1と敗れ、逆転突破には勝利が必要だった。ボール保持率75%と圧倒的に攻めながら、引いて守る相手から180分間無得点と決定力不足は深刻だった。
R・バッジオ、デルピエロ、トッティのような10番を背負った攻撃のスターは不在。現10番のFWインシーニェ(ナポリ)はベンチで出番がなく、昨季セリエA26点とブレークしたFWベロッティ(トリノ)は不調で先発落ち。ピルロの後継者となるべきMFベラッティ(パリSG)は第1戦で相手ラフプレーにいらつき警告を受け、累積警告で大一番に出場できなかった。
06年にW杯を制した後の2大会は1次リーグ敗退。少しずつ衰退の兆候は出ていた。この日の先発は39歳のブッフォンを筆頭に30代の選手が6人並び、最年少は25歳。若手の伸び悩みと世代交代の遅れも顕著だった。
ベントゥーラ監督は「国民に申し訳ないと言うことしかできない」とため息交じりに謝罪。イタリア代表はサッキ、リッピら、数々の名将に率いられてきたが、昨年就任した69歳の老将はビッグクラブを率いた経験はない。指導力不足が表れたのは1点を追う試合終盤だった。先発落ちした34歳MFデロッシ(ローマ)はアップ指令を拒否。試合後に「(FW)インシーニェ、エルシャーラウィらを入れるべきだと思った」と勝利のために攻撃陣を起用してほしいとの意図だったことを明かした。
同代表最多の175キャップを誇るブッフォンは「こういう形で代表の試合を終えるのはとても悔しい」と06年W杯VメンバーのDFバルザーリ、デロッシとともに代表引退を表明。DFキエッリーニも続いた。19歳だった97年からアズーリを支えた守護神は「イタリア代表は一度沈んでもすぐに立ち直ってきた。魂はなくさないでほしい」と復活を後輩に託した。
【イタリア代表4度のW杯優勝】
☆1934年イタリア大会 第2回大会で16チームがトーナメント形式で争い、地元イタリアは米国、スペイン、オーストリア、チェコスロバキアを破り初優勝。決勝で元アルゼンチン代表のFWオルシが同点ゴール、大会2位4得点のFWスキアビオが決勝点を挙げて2―1と逆転勝ちした。
☆1938年フランス大会 前回優勝で予選免除。16チームによるトーナメントでノルウェー、フランス、ブラジル、ハンガリーを破り連覇。FWピオラが決勝で2得点を挙げるなど、5得点と活躍した。
☆1982年スペイン大会 参加チームが24に増加。1次リーグ(L)を2位通過すると、2次Lでマラドーナのアルゼンチン、ジーコのブラジルを撃破。準決勝でポーランド、決勝で西ドイツを破り優勝。FWロッシが6ゴールで得点王。
☆2006年ドイツ大会 1次Lを1位突破すると、決勝トーナメントでオーストラリア、ウクライナ、ドイツに勝利。フランス代表MFジダンのDFマテラッツィに対する“頭突き事件”があった決勝で延長1―1からのPK戦を5―3で制し、4度目の優勝。大会最優秀GKの当時28歳GKブッフォン、主将のDFカンナバロを中心に大会2失点の堅守が光った。
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