磐田PO完勝!名波監督、悲壮覚悟&俊輔流ハッパで一丸J1残留
2018年12月09日 05:30
サッカー
残り30秒で決勝点を奪われ16位に転落した1日の川崎F戦。2日間のオフを挟んで再開した4日の練習では、重い空気が漂っていたという。それでも指揮官は完全非公開で万全の準備を整えた。さらに試合直前には、数々の修羅場をくぐり抜け、かつてレジーナでも苦しい残留争いの経験がある中村が一役買った。
試合開始約3時間前。指揮官の了承のもと選手ミーティングを提案した中村。開口一番「今のままでは勝てると思わない」と言った。あ然とする周囲。すると「それはうそだけど」と続け「今ムカついた人は戦う準備ができている。ムカつかなかった人は、スタジアムに向かうバスの中で気持ちを切り替えてほしい!」と言い放った。これでチームの戦闘モードは最高潮に。引き分けでも残留は決まったが、開始から攻撃的な姿勢で東京Vを圧倒した。
6月にメスを入れた中村の右足首にはこの日も痛み止めの注射が打たれ、テーピングで固められていた。ケガに泣かされた一年。途中「引退が見えてくるってこういうことなのかな…」と心が折れかかったこともあったという。その中で飛び込んできた尊敬してやまない川口の引退の一報。「能活さんみたいに、もっともがかないと!」。再び燃え上がったサッカーへの情熱。3日前には川口から「厳しいけど頑張れ」と激励の電話を受けた。この日は後半アディショナルタイムのみの出場だったが、大一番で存在感は見せた。
「今年のオフでしっかり足首を治して、もうちょっと完全燃焼したい」。苦しんだシーズンを終え、現役続行を宣言したレフティーは静かに来季での復活を見据えた。
《航基PK 田口FK》東京五輪のエース候補のFW小川航が指揮官の抜てきに応えた。川又の右足の状態が万全でない中、1トップで先発。前半41分に自ら得たPKを右足で冷静にゴール左に蹴り込んだ。小川航が「勝ちにつながって良かった」と振り返った先制弾で勢いに乗ると、後半35分には田口が右足で得意の直接FKを決めた。「(山田)大記さんがファーの方が良いと言ってくれた。力を出せてうれしい」。チームメートが開けた壁の間を抜く技ありのFKを左隅に決め、ドローでもJ1残留だった試合に決着をつけた。
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