決勝T進出演出のなでしこ田中美南 幼少期から運動神経ピカイチ 19年W杯メンバー外の悔しさ乗り越え

2021年07月28日 05:30

サッカー

決勝T進出演出のなでしこ田中美南 幼少期から運動神経ピカイチ 19年W杯メンバー外の悔しさ乗り越え
川崎ウィングス時代、男の子と混じってプレーした田中(中央、クラブ提供) Photo By 提供写真
 【東京五輪第5日 女子サッカー1次リーグE組   日本1ー0チリ ( 2021年7月27日    キューアンドエースタジアムみやぎ )】 サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が、チリを1―0で下して決勝トーナメント進出を決めた。0―0の後半32分に途中出場のFW田中美南(27)が、値千金の決勝ゴール。21日の第1戦カナダ戦(札幌ドーム)でPKを外した失敗を挽回した。1次リーグを1勝1分け1敗とし、3位通過で準々決勝はG組1位のスウェーデンと対戦する。
 3学年上の兄の影響で、田中は小学1年から川崎ウィングスでサッカーを始めた。当時から運動神経はピカイチ。小学6年時には男子相手に約30メートルのミドル弾を突き刺すなど、中盤で躍動した田中に同クラブの鈴木哲夫理事長(63)は「間違いなく、この子は澤穂希の代わりになる」と感じたという。卒業後は日テレの下部組織に入り、年代別代表で活躍した。

 13年のアルガルベ杯で代表デビュー。16年からは国内リーグで4年連続得点王を獲得するなど、屈指のストライカーに成長した。しかし、19年W杯フランス大会はまさかのメンバー外。川崎ウィングスの羽物俊樹監督(54)には「なんで選ばれなかったんだろう」と、漏らしていたという。だが、その挫折が田中を変えた。

 昨季は幼少期から慣れ親しんだ日テレからINAC神戸に移籍し、五輪シーズンの今年2月にはドイツ1部レーバークーゼンに期限付き移籍した。「今までは、あうんの呼吸でプレーしてきた部分があった。個人で得点を取る力をつけたかった」。あえて見ず知らずのクラブへ移籍し、対応力を磨いて代表切符をつかんだ。

 「厳しい戦いだったが、(決勝トーナメントは)もっと厳しい戦いが続く。しっかり修正して臨みたい」と田中は言った。悔しさを糧に成長した点取り屋が、頼もしさを増してきた。

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