森保ジャパン 大迫、原口外し 堅実な男の“攻め” 攻撃陣にW杯経験者ゼロ

2022年11月02日 05:10

サッカー

森保ジャパン 大迫、原口外し 堅実な男の“攻め” 攻撃陣にW杯経験者ゼロ
メンバー全員の名前を読み上げた後、深く息をつく森保監督(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【W杯カタール大会日本代表発表 ( 2022年11月1日 )】 日本サッカー協会は1日、東京都内で会見を開き、W杯カタール大会(20日開幕)に出場する日本代表26人を発表した。1トップ最有力候補とみられていたFW大迫勇也(32=神戸)が落選。経験豊富なMF原口元気(31=ウニオン・ベルリン)も選外となる一方、W杯予選に出場していないMF相馬勇紀(25=名古屋)がメンバー入り。攻撃陣はW杯経験者が不在だが、森保一監督(54)は若手に期待を示した。史上最高の8強以上を目標に掲げる森保ジャパンは17日のカナダとの強化試合を経て、W杯の戦いに挑む。
 午後2時に始まった会見で、森保監督は手元のメモを見ながら26人の名前を読み上げた。1人目が川島。GKが終わるとフィールドプレーヤーを年齢順に。26人目の久保を発表した指揮官は神妙な面持ちで「以上となります」と締めくくった。大迫の名前は最後まで呼ばれなかった。

 森保監督は、セルティックで活躍しながら外れた古橋にも触れ「(大迫、古橋は)この4年間でW杯への道をつなげる戦いをした素晴らしい選手だが、選手の置かれている状況、コンディション、W杯の戦いをシミュレーションした時の優先順位でこの選考になった」と説明した。

 W杯は過去2大会に出場し18年ロシア大会では初戦コロンビア戦で得点を決めるなどエースとして日本を16強に導き「大迫半端ないって」は流行語になった。W杯カタール大会予選でも1トップに君臨し、森保ジャパンでは南野と並ぶ最多17得点をマークした。負傷で3月のW杯予選を辞退し、その後は招集されていないものの9月後半からリーグ戦5試合で3得点と復調。招集が確実視されていただけにサプライズ落選となった。

 同じくロシア大会で活躍し、森保ジャパンでも中盤のさまざまなポジションをこなし、攻守にチームを支えた原口も選外となった。指揮官は「彼に頼りたいところはまだまだある。同時に伸びてきている経験の浅い選手たちも大切にしなければいけない」と話した。

 実績のあるベテラン2人が外れ、攻撃陣はW杯経験者が不在となった。森保監督は「そこは議論になった」と前日のスタッフミーティングで異論が出たことを示唆。「W杯経験者の力を借りて戦いたいという選択肢もまだ考えているところもある」と自身に迷いがあったことを告白した。

 それでも、この日朝最終決断した。「経験は大事だが、経験がない選手たちの、W杯で成功したいという野心を持って戦ってくれるエネルギーに期待した」。経験よりも若さを選んだ。東京五輪代表が10人。W杯初出場は過去最多の19人に上る。堅実な指揮官が大胆な選手選考を行った。

 「その(落選した)選手たちのことを思うと複雑な心境だが、全ての選手たちの思いを持ってカタールのW杯で全力で戦いたい」。迷いを断ち切るように言い放った。(福永 稔彦)

 ≪史上最多初選出19人≫日本がW杯に初出場した98年フランス大会を除く6大会で、初選出19人は02年日韓大会、10年南アフリカ大会の各15人を上回り最多。前回の18年ロシア大会は12人で、選手枠が3人増えた点を考慮しても、従来より大きく増えたといえる。GK権田は14年ブラジル大会以来の選出で、ブランクを挟む復帰は初めて。

 ≪全員そろうのは14日か15日 17日現地でカナダと強化試合≫森保監督とコーチ陣は7日に、国内組は9日にカタールに向けて出発する。欧州組は13日までの試合を終えてから合流するため、現地で全員がそろうのは14日か15日の見通し。17日にはドバイでカナダと大会前最後の強化試合を行う。

 ▽過去の主な大物選手の落選 98年フランス大会のFW三浦知良が、W杯予選で活躍を見せるも、開幕直前のスイス合宿で岡田監督の発表したメンバー22人から落選、日本中が衝撃を受けた。02年の日韓大会では、メンバー入りが有力視されていたMF中村俊輔がトルシエ監督の選考基準に合わずメンバー外。06年ドイツ大会のFW久保竜彦は、ジーコジャパンで18試合11得点と決定力の高さを見せていたが、コンディション不良で選ばれなかった。

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