オシムさんが最後に伝えてくれたこと
2023年06月24日 08:00
サッカー
07年11月に脳梗塞で倒れた後はリハビリに励み、日常生活には支障がないところまで回復した。サラエボでも「毎週リハビリに行ったが、それ以外は病院とは縁がなく、亡くなる前日まで元気だった」とアシマ夫人は言う。そして、リハビリをしながら、日本のサッカーを気にかけていたという。
関係者が自宅に訪ねてくると、よく日本のサッカーの話をして、「日本の選手はどれだけ規律を守るか、勤勉にトレーニングするか」とほめていたという。そして「体格は大きくないがテクニックが素晴らしい。ただ、それが実戦向きではない部分がある。それを補うために組織的なサッカーをするのが日本式」と、分析していたという。毎日のように夜遅くまで世界中のサッカーをテレビで見ながら「今のサッカーだけを見ていてはだめ、10年後のサッカーを見ながら働くべきだ」と言っていたという。これは日本のサッカー関係者も心にとめておくべきことだ。
そして古巣・ジェフ千葉についても「ビッグクラブではないが、伝統があり、ヨーロッパにはあまり見られないタイプのクラブ。こういうクラブに強くなってほしい」と言っていたという。日本人もオシムさんのことを忘れないが、オシムさんも亡くなる直前まで日本のことを忘れることはなかったのだ。
02年W杯日韓大会でFIFAの技術委員として来日し、約1カ月間、札幌などに滞在した。アシマ夫人も一緒に来日し、「W杯の後、日本のことをずっと話していたので何か起こるかなと思ったが、まさか半年後に日本に住むようになるとは」と驚いたという。そして「相互関係というか、彼は日本のことが大好きだったし、日本人が忘れられないのは彼がそれだけのことをしたから」という。
サラエボの自宅近くの墓にはいつも花が手向けられている。日本語で「ありがとう」と書かれたシャツやジェフのマフラーが備えられたこともある。オシムさんが最初にプロになったFKジェリェズニチャルは鉄道関係者がつくったクラブ、ジェフもJR東日本が株主で、鉄道つながりがある。これも何かの縁、ジェフ千葉にはオシムさんの残したものをしっかり見据えてチーム作りをしていってほしい。
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