中村俊輔氏 オフこそ自分磨き 26年間の現役生活を支えた冬の過ごし方

2024年01月30日 04:35

サッカー

中村俊輔氏 オフこそ自分磨き 26年間の現役生活を支えた冬の過ごし方
2000年、沖縄・かりゆしビーチで自主トレをする横浜の川口(左)と中村 Photo By スポニチ
 【月刊中村俊輔 1月号】22年シーズン限りで現役を引退し、現在は横浜FCのコーチを務める元日本代表MFの中村俊輔氏(45)がサッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。1月号は、26年間の輝かしい現役生活を振り返り、自身が意識してきたオフシーズンやキャンプの過ごし方などを回想。幼少時代から技術を磨き続けた自主トレーニングの重要性などを改めて語った。
 オフは長いシーズンで蓄積した疲労をいやす大切な時間。俊輔氏も「家族旅行したり、なかなか会えない人と会ったりもしていた」とリラックスした時間を過ごしていたというが、年末年始以外は基本「勝負が懸かっていないところでのサッカーはストレス発散になる」との理由から、ボールから離れることはなかったという。

 中でも楽しみにしていたのが、「やっぱり好きだった。(横浜)ジュニアユース、桐光(学園高)でも、自分はそれで伸びてきた」という自主トレ。

 「シーズン中も自主トレはできるけど、そんな追い込めない。試合もあるし、1週間に1回が限度。でもオフ中は練習の疲労がないし全部、自分に積み込める。いろんなことを確認しながら挑戦できるし、前年に気になったところをもう一回練習するとか、微調整できる。大胆に変えられるチャンスでもあった」

 この絶え間ない向上心と努力が26年間、常にトップに君臨し続けた秘訣(ひけつ)だった。

 入念な準備もあり「毎回いい状態で入れた」というキャンプでは、チームメートとの関係を構築する「すり合わせ作業」に重点を置いたという。

 「ゲーム形式の練習が始まったら、周りの選手のタイプ、癖によってこのタイミングで動こうとか、自分がこうパス出すから、“このタイミングで動いてみて!”とか。あうんの呼吸でプレーできるように、すり合わせ作業をやっていく」

 もちろん決して簡単ではない。とくにイタリア、スコットランド、スペインの3カ国プレーした海外では、苦労することも多々あったようだ。

 「パスが欲しいのにシュートを打ったりする選手もいる。だから“今くれよ”みたいなアピールをしたり、その選手との関係性を合宿中にピッチ内外でつくる。自分のパスで味方を気持ち良くプレーさせたり、積極的にコミュニケーションを図って、自分(の特長)を出しやすくする作業をしていた」

 ただし、そういった作業がうまくいっても、海外ではやはり結果が全てだったという。

 「最初の3試合が重要。3試合で駄目だったら、もう?が付いて地元メディアから批判される。ファンもそういう目で見てくるから、そうなるとなかなか抜け出せない。実力勝負だから、本当にシビアで大変な世界だった」

 そういった勝負に打ち勝ち、セルティックでは一時代を築いた俊輔氏。この貴重な経験は今後、指導者として次世代に受け継がれる。 

おすすめテーマ

2024年01月30日のニュース

特集

サッカーのランキング

【楽天】オススメアイテム