大岩ジャパン 五輪史上最多5発GO砲 パリ五輪メダルラッシュへ先陣 南米王者パラグアイを一蹴
2024年07月26日 04:10
サッカー
![大岩ジャパン 五輪史上最多5発GO砲 パリ五輪メダルラッシュへ先陣 南米王者パラグアイを一蹴](/soccer/news/2024/07/26/jpeg/20240726s10002014004000p_view.webp)
前半25分、平河が右足を踏まれ、同34分には途中交代に追い込まれた。相手選手は一発レッド。その後もパラグアイのラフプレーは続き、大岩監督が主審に詰め寄り、抗議する場面も。怒りは冷静にパワーに変えた。数的優位も重なり、怒濤(どとう)の攻撃につながった。参加国で唯一、OA枠も呼べず、A代表の主力級も招集できなかったが、そんな不安は一夜にして一蹴してみせた。
日頃から大岩監督が繰り返す言葉がある。「ポケットを使え」。ゴール左右のエリアを意識したものでスペイン流の攻撃が理想となる。シュ―ト数は格段に増えた。2点目も斉藤が左のポケットを突いたことで生まれた。もう1つの合言葉で攻守に切れ目のない連係を意味する「シームレス」も90分間継続。ワインの産地で知られるボルドーの地で熟成された内容を見せた。
全ての始まりは4年前の悪夢のクリスマスだった。20年12月25日未明。当時、U―19日本代表だったパリ世代は21年U―20W杯最終予選へ向けた合宿中だった。突如、舞い込んできた新型コロナ禍によるW杯中止の悲報。先に知った首脳陣は眠れぬ夜を過ごし、翌日伝えられた選手たちは表情を失った。
その思いは22年3月発足の大岩ジャパンに引き継がれ、最初のミーティングではW杯中止が告げられた当時の映像が流された。今年のU―23アジア杯でパリ五輪出場が決まると当時監督の影山雅永氏、同コーチの冨樫剛一氏、そして大岩監督は「やっと彼らが世界の舞台で戦えるね!」と喜びあった。
五輪で南米勢から勝利するのは96年アトランタ大会でブラジルを撃破した「マイアミの奇跡」以来だ。終盤には3人交代するなど次戦以降を見据えた采配も見せた指揮官は「次のことしか頭にない。しっかり切り替える」とあくまで冷静だった。開会式に先駆けた初戦での5発圧勝。日本チーム全体にメダルラッシュを呼び込みそうな、爽快な1勝となった。
≪次戦○で2位以内確定≫▽日本の次戦突破条件 男子の1次リーグは各組上位2カ国が準々決勝に進む。日本は27日のマリ戦に○ならD組2位以内が確定する。加えて、日本戦の前に行われるイスラエル―パラグアイ戦が△なら1位突破も決まり、C組1位が濃厚な前回銀メダルのスペインとの対戦も回避できそうだ。
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