銅だ!銀だ!小さなエース鶴見虹子が大きな快挙!

2009年10月18日 06:00

体操

銅だ!銀だ!小さなエース鶴見虹子が大きな快挙!
女子種目別、段違い平行棒の表彰式で笑顔を見せる(左から)2位の鶴見虹子、優勝した何可欣、3位のポルグラスとブロス
 世界体操選手権第4日は16日、ロンドンO2アリーナで女子個人総合決勝を行い、予選を7位で通過した鶴見虹子(17=朝日生命ク)が合計57・175点で銅メダルを獲得した。17日の第5日には種目別決勝の段違い平行棒で14・875をマークして銀メダル。五輪、世界選手権を通じて日本の女子が個人総合と種目別でのダブルでのメダル獲得は1966年世界選手権の池田敬子以来で、43年ぶり史上2人目の快挙となった。
 身長1メートル40の小さなエース鶴見が、偉業を成し遂げた。日本女子史上、43年ぶりの銅メダル獲得。「超びっくり。五輪の次の年でチャンスと言われていたけど、ここまでいけるとは…」。4種目すべての演技をほぼノーミスで終えた17歳は、表彰台の上で誇らしげに銅メダルを輝かせた。
 3位につけて最後の跳馬を迎えた。習得したばかりの2回ひねりで勝負に出るか、正確な1回ひねりで攻めるか。鶴見は迷ったが「ひねるか?」と聞いてきたバツラ・コーチに「1回にする」と告げた。わずかな差が明暗を分けることは分かっていた。緊迫した場面で冷静な判断を下し、着地まで美しくまとめて表彰台を死守した。
 17歳の誕生日だった9月28日には所属先で指導を受ける塚原千恵子女子監督から「強い心」と書いたクマのぬいぐるみをプレゼントされた。北京五輪では周囲を過剰に気にして集中力を欠いて17位。自分の力を信じたことが、4種目すべてで予選の得点を上回った勝負強さに結びついた。
 塚原監督は「24歳から38年間、女子のメダルを目指して指導してきた。入賞までは言っていたけど、メダルを獲るとはびっくり」と目に涙を浮かべ、かつて、指導した小菅麻里や信田美帆らがはね返されてきた壁を乗り越えた教え子をギュッと抱き締めた。鶴見も「千恵子先生に喜んでもらえた」と感激に浸った。
 同じ会場で3年後にはロンドン五輪が開催される。「いつもは男子がメダルを獲っていたけど、北京から女子も強くなってきた。波に乗ってロンドンまで頑張りたい」。40年以上も越えられなかった壁をついに乗り越えた日本女子体操界の至宝が、さらなる高みを目指す。

 ◆鶴見 虹子(つるみ・こうこ)1992年(平4)9月28日、東京都生まれの17歳。藤村女子中―大智学園高2年。姉の影響で5歳のときに体操を始める。全日本選手権は06年に史上4人目の中学生女王になってから4連覇中。08年北京五輪女子団体総合5位入賞、個人総合17位、種目別平均台8位。世界選手権は個人総合15位だった07年に続き2度目。得意種目は段違い平行棒と平均台。1メートル40、32キロ。

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