錦織の2014年はまだ終わらない 「誇りに思う」ファイナル切符
2014年11月02日 05:30
テニス
世界ランキング7位の錦織圭(24=日清食品)がまたもや快挙を成し遂げた。準々決勝で世界6位のダビド・フェレール(32=スペイン)をフルセットの末に撃破。年間成績などの上位8人によるATPツアー・ファイナル(11月9~16日、ロンドン)への出場を確定させた。アジア勢の出場は錦織が初めてとなり、これで全8選手が出そろった。全米オープン準優勝など大ブレークした錦織の2014年シーズンはまだ終わらない。
シーズンを通じて高いレベルを維持した成果が、最終戦の出場切符となって結実した。出場権を争うフェレールとの直接対決。決して本調子ではなかった錦織だが、粘りが信条のベテランをフルセットの末に撃破。天井知らずの快進撃がまた新たな快挙につながった。
「自分を誇りに思う。他の選手の勝ち負けでなく、自分の力でファイナルに入れたのは素直にうれしい」。最終戦の出場枠は残り3枠で、可能性があったのは4人。最も優位な位置にいた錦織は、前の試合でベルディハ、ラオニッチのいずれかが負ければ確定だった。しかし、2人はいずれも勝ち残り、フェレールに負ければ、今大会で3人に逆転されて圏外転落の危険性もあった。「考えないようにしていても自然と情報が入ってきていた」というプレッシャーも乗り越え、自力でつかみ取った出場権だった。
厳しい出場権争い同様にこの日の試合も際どい戦いとなった。ファーストサーブは入らず、ストロークでも普段なら決められるはずのショットがサイドに流れてアウトになる。乗り切れないまま第1セットを落とすと、第2セットはタイブレークで絶体絶命の状況に陥った。フェレールに先行されて0―4、さらに2―5。あと2ポイント取られたら敗退まで追いつめられた。
しかし、ここでも錦織は精神的な強さを発揮。「カムバックできると信じてやっていた。2―5から挽回し、あそこからノーミスでどんどん攻めていけた。気持ちを強く持ってプレーできた」。土俵際から5連続得点でこのセットを奪取すると、最終セットも紙一重の戦いをものにした。
今季はクレーコートで初優勝、初のトップ10入り、4大大会で初の決勝、初の2週連続優勝と着実にステップアップしてきた。「ケガとも闘いながらだけど、例年よりは少なくなってきた。アンラッキーな足の痛みとかもあったけど、体は強くなってきている」
3回戦では元世界5位のツォンガに競り勝ち、3日連続のフルセットとなったフェレール戦も3時間近い激闘を戦い抜いた。そしてつかんだ初の最終戦出場。「大変な試合でツォンガ、フェレール相手に勝てたというのは大きな経験値になる」。この勝利も通過点。タフなメンタルに強じんな肉体と経験値が備われば、錦織はもっと強くなる。
▽最終戦の出場権争い 世界ランキングと異なり、今季獲得ポイントを積み上げたランキングの上位8人が出場資格を得る。出場権を得ていたナダルが虫垂炎手術のため欠場。全米オープン覇者のチリッチは順位にかかわらず4大大会優勝者の枠で確定し、今大会開幕前に残り4枠となっていた。10月30日の3回戦でマリーが可能性のあったディミトロフを下して一足先に出場権確保。残り3枠を錦織、ベルディハ、ラオニッチ、フェレールで争っていた。最終戦は1試合勝つごとにランキングポイントと賞金が得られ、無敗優勝で207万5000ドル(約2億3000万円)を獲得。
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