白鵬 13日目にも最多33度目優勝、泰然「いい相撲取るだけ」
2015年01月23日 05:30
相撲
単独史上最多となる33度目の優勝と5連覇を目指す横綱・白鵬が、大関・琴奨菊を危なげなく寄り切って初日から12戦全勝とした。横綱・日馬富士と大関・稀勢の里は2敗をキープ。13日目に日馬富士が横綱・鶴竜に敗れ、結びの一番で白鵬が稀勢の里に勝つと、白鵬の歴史的な優勝が決定する。
【12日目取組結果】
盤石だ。白鵬は琴奨菊に対して左の張り差しから即座に得意の右を差して左上手。「いいところを取れた」とスポンジのような柔らかい体で相手の圧力を吸収してから、上手を引きつけながら前に出る教科書のような寄りで無敗を守った。前半戦は遠藤ら若手を相手に熱くなってバタつく場面が続いたが「中日からの折り返しで良くなってきた」と手応え十分。後半戦は危なげない相撲が続いており、心技体全てがパーフェクトな状況だ。
13日目に日馬富士が鶴竜に負けて自身が結びで稀勢の里に勝てばV33が決定するが「いい相撲を取るだけ」と泰然自若。大鵬超えを全勝Vで飾りたいか?との質問にも「まだ早い。一番一番」と淡々と答えた。
13日目に優勝を決めたい理由がある。1つ目は内弟子として2年前に入門した西幕下6枚目・石浦(25)が、勝てば幕下Vと新十両を決める大一番を迎えること。ここまで6戦全勝で、元学生横綱・正代(時津風部屋)と対戦する。「流れは来ているからね」と横綱は期待し、石浦も「恩返しにつながれば」と気合十分。“師弟”での同日Vを決めるつもりだ。
2つ目は、次女・美羽紗(みうしゃ)ちゃんの4歳の誕生日であることだ。18度目の優勝を飾った11年初場所の千秋楽。「忘れられない場所になった」と横綱は語っていたが、その4年後も“孝行娘”の第3子に最高のプレゼントを贈りたい。
北の湖理事長(元横綱)は「白鵬の逃げ切り態勢は変わらない」と言った上で、たとえ稀勢の里に負けても「(優勝が)1日ずれるだけ」と絶対有利を説明した。12日目だったこの日は定員1万668人分の入場券が完売する「札止め」を午前10時に記録。東京開催場所の12日目に札止めをマークするのは97年秋場所以来となった。大相撲の人気回復を支えてきた横綱のV33は当たり前。いつ決めるかに焦点は当てられている。
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