東京五輪 さらなる飛躍の鍵握る世代交代のタイミングと冷静な視線
2016年08月24日 11:40
スポーツ
ロンドンで銅メダルを獲得したバレーボール女子は「前回以上のメダル」を目標にしながら、決勝トーナメント1回戦で敗退した。ロンドン後、すぐにベテラン選手が引退。4年間かけて新たなチームづくりに挑んだが、選手が入れ替わるたびに戦術を模索し、また選手の入れ替えと試行錯誤を繰り返し、最後までチームづくりが進まなかった。
個人種目でいえば、前年大活躍しながら、リオ本番では実力を発揮できなかったケースが目立った。フェンシング男子フルーレの太田雄貴(30=森永製菓)は前年の世界選手権で日本人初優勝を飾りながら、リオは初戦で敗退。「団体で五輪に行きたくて、行けなくてがっかりした。モチベーションを保つのが難しかった」と勝負に対する執着心が薄れていたことを吐露した。
一方、世界選手権の優勝で早々と代表を決めていた競泳女子平泳ぎの渡部香生子(19=JSS立石)の場合は、注目度の高さに困惑したケース。出場2種目で決勝進出を逃したのは、練習に集中できない時期があったことが原因だった。テコンドー女子57キロ級の浜田真由(22=ミキハウス)は、昨年12月に導入された、感度を落とした新防具への対応が遅れたことを指摘する声もある。
確かに史上最多のメダル41個でリオ五輪の日本選手団に対する評価は高い。だが、ここで勝因と敗因の精緻な分析ができなければ、4年後の目標に到達するのは難しい。求められるのは、周囲の“熱気”にのみ込まれない冷静な視線といえる。 (特別取材班)
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