貴親方「終わりじゃない」 日馬書類送検も聴取は地検判断待つ
2017年12月12日 05:30
相撲
送検により捜査は一つの節目を迎えた。日本相撲協会の危機管理委員会は、元横綱以外にも同席していた白鵬、鶴竜の両横綱、関脇・照ノ富士の聞き取り調査を終えている。だが、被害者である貴ノ岩の聴取は、師匠の貴乃花親方の意向で実現していない。この日は、危機管理部長を務める鏡山理事(元関脇・多賀竜)らが東京都江東区の貴乃花部屋を訪れた。だが、4度目の訪問でも貴乃花親方とは接触できず。冬巡業を休場している貴ノ岩の診断書提出を求める文書と、聞き取り調査を求める文書を入れた封筒をポストに投函(とうかん)した。聞き取りに関して希望の日時も伝えたという。
11月30日の理事会では、県警の捜査終了後、貴乃花親方が危機管理委員会による貴ノ岩の聴取に協力する意向を示したとされる。だが、現時点で貴ノ岩の状態は思わしくなく、聴取に応じられる状況ではないもようだ。貴乃花親方は本紙の取材に応じ、貴ノ岩の具合について「良くないので大変なことになっているんだよ」と答えた。さらに、日馬富士が書類送検されたことに「捜査に協力するのは国民の義務ですから、協力は惜しみません」と話した上で「まだ全てが終わったわけではない」とあくまで地検の判断を待つ姿勢を示した。
危機管理委が聴取を要請する文書を出したが、八角理事長は「一番は体調を整えてから。(聴取に)答えられる状況をつくっていかないと」と貴ノ岩の体調を気遣った。危機管理委は20日の横審、臨時理事会までに最終報告を提出したい意向だが、それまでに聴取できるかは微妙な状況だ。世間を揺るがしている暴行問題で、被害者から話を聞かずに最終報告をまとめるのは、あってはならないこと。迅速に問題に対処してきた相撲協会だが、年内決着は厳しい状況となった。
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