大迫、日本新!フルマラソン3度目で夢の“5分台”1億円も獲得
2018年10月08日 05:30
マラソン
4年ぶりに復活したペースメーカーが1キロ3分のラップで引っ張り、ハーフを1時間3分4秒で折り返した。20〜25キロのペースが15分台に落ちたが、その後は5キロ14分台のハイペースが続き先頭集団は一気に絞られた。大迫は優勝したファラーやアフリカ勢の揺さぶりに対応。40キロ手前で脇腹を両手でさするようなしぐさを見せるなど、優勝争いからは一時遅れたかに見えた。だが「最後の1マイル(約1・6キロ)でいけると思った」とちぎれることなく、これまで日本人がたどり着けなかった2時間5分台の世界に一番乗りした。
ライバル視する設楽悠と同学年。7月に行われたイベントでは設楽悠が「昨年の福岡国際での大迫選手の走りがあったから東京マラソンで記録が出せた」と言えば、大迫も「日本はマラソン大国と言われていたが弱まっている。設楽選手や僕も含めて東京五輪でメダルを獲れたらいい」と刺激し合い、モチベーションを上げていった。
設楽、大迫の91年組に加え、井上大仁(25=MHPS)といった若い世代が日本マラソンをさらなる高みに押し上げている。河野匡・日本陸連長距離・マラソン・ディレクターも「(大迫は)ペースの上げ下げがあるレース展開に対応できたのが凄い。次元の高いタイムだし、もっと上が望める」とさらなる記録更新に期待を込めた。
サッカーW杯ロシア大会で盛り上がった6月。日本代表の大迫勇也の活躍に刺激を受け「シカゴマラソンで決勝弾を決められるように頑張ります。俺は大迫傑だ」とSNSに投稿した。そこには“半端ない”陸上界を背負う気概があふれていた。「トップを獲れなかったが、日本人でも最後まで優勝争いできると証明できた。期待してほしい」。来年9月に行われる東京五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ」が、一気に面白くなってきた。
◆大迫 傑(おおさこ・すぐる)1991年(平3)5月23日生まれ、東京都町田市出身の27歳。金井中で本格的に陸上を始め、長野・佐久長聖高2年時に全国高校駅伝優勝。早大では箱根駅伝で1、2年時に1区区間賞、3年時は3区2位、4年時は1区5位。3000メートル7分40秒09、5000メートル13分8秒40は日本記録。16年リオ五輪は5000メートル全体28位、1万メートル17位。初マラソンの17年4月のボストンマラソンは2時間10分28秒で3位。同年12月の福岡国際は2時間7分19秒で日本人トップの3位だった。1メートル70、52キロ。
▼麻場一徳・日本陸連強化委員長 素晴らしいの一言。これに続いてどんどん高いレベルでレースをして、切磋琢磨(せっさたくま)して記録を伸ばしてもらえれば。世界のトップに追いつこうとする姿勢が重要。
▼19位川内優輝 夏場に猛暑で思うような練習を積めず、練習通りの結果になってしまった。(ボストン・マラソン優勝者として)恥ずかしいし、市民ランナーとしての限界を感じた。
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