大分東明 初の花園で目指す8強!“W杯効果”で雰囲気ガラリ
2019年12月12日 05:30
ラグビー
躍進の原動力となったのは、昨年4月に入学したフィジー人留学生のNo・8ブルとCTBナホ。名門・大分舞鶴との県予選決勝で10―14から逆転のトライを決めたナホは「勝てないヒストリーがあって、やっと勝てたのでうれしい」と日本語で喜びを語った。2人に負けじと、15人が一丸となって目標に挑む。CTBの戸高央太(えいた、3年)は「残りの13人がいかにハードワークできるかが鍵になると思う。地面で寝ているプレーヤーをゼロにしようと心掛けています」と力を込めた。
留学生2人の日本語が上達したことでコミュニケーションが密になり、練習の質も向上した。オフロードパスが得意なナホは「子供の頃からラグビーをして、そういうパスは文化みたいな感じ」とチームメートに伝授。習熟度が高まり、攻撃の幅、迫力が増した。ブルも「練習のレベルが上がった。一人一人の判断などが良くなった」と話す。
ケガを恐れずに練習に取り組めるようになったのも大きい。今年1月に人工芝のグラウンドが完成し、いつでも“本番モード”の練習ができる。激しいコンタクトで熱気を帯びるグラウンド。フッカーの冨田大智副主将(3年)は「生き生きと練習できています」と効果を口にする。今春の選抜大会では花園で常連校の尾道(広島)と黒沢尻工(岩手)を下し、冨田は「やればできる!という自信につながったと思う」と手応えをつかんだ。
“W杯効果”もあった。今秋、大分で行われたラグビーW杯のフィジー―ウェールズを全員で観戦した。「世界のトップレベルを見て、近づくために練習の雰囲気も変わった」と若松主将。筋力トレーニングにも積極的に取り組む選手が増えた。
花園では開幕日の27日に飯田(長野)との初戦を迎える。「ベスト8」に必要な白星は3つ。テンポのいいラグビーで目標に全員でトライする。白田誠明監督は「自分たちにフォーカスしてやりたい。注目してもらっていいじゃないですか」と期待した。
▽大分東明 1952年(昭27)に平松商として設立した私立高校。62年に現校名に変更された。普通科、商業科、看護教養科、衛生看護科の4学科があり、個性や能力、希望進路に合わせて計9つのコースを選択できる。Jリーグ大分のU―18選手を多く受け入れ、西川周作(浦和)、梅崎司(湘南)、清武弘嗣(C大阪)らがOB。他の主な出身者にタレントのユースケ・サンタマリアがいる。所在地は大分県大分市千代町2の4の4。
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