阿炎が休場 また無自覚行動…外食自粛破り会食 錣山親方謝罪 検査実施へ
2020年07月26日 05:30
相撲
幕内土俵入りに阿炎の姿がなかった。インターネット上では「何が起きたのか」とざわつき始めた。するとNHKのテレビ解説だった錣山親方が放送の中で口を開いた。「数人のお客さまと会食に出たため、大事を取って本日より休場させます」と説明した上で「こういう時期に軽はずみな行動をしてしまった。申し訳ありません」と謝罪した。
日本相撲協会は7月場所を開催するにあたり32ページに及ぶ「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン」を制定。13日に発表した。その中に「不要不急の外出を自粛する」と明記されている。錣山親方が阿炎の会食の事実を知ったのはこの日の午後2時ごろ。ガイドラインに反する行為を取った弟子に対し、自らの判断で即座に休場させることを決めた。阿炎は13年夏場所の初土俵から初めての休場となった。
発熱などの症状はないというが、26日以降に抗原検査やPCR検査を受けるという。結果が判明するまでは休場で、稽古も禁止。自宅隔離の形となる。
休場に伴い、審判部は取組を編成し直す「割り返し」を実施。朝乃山は8日目に阿炎との対戦が組まれていたが、相手は碧山に変更となった。八角理事長(元横綱・北勝海)は「残念ですよ。協会員一丸となってやっているところで」と嘆いた。一方で芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「さんざん何回もやらかして、世の中がどんな状況か考えてほしい。子供じゃないんだから分かるだろう。みんな我慢しているのに」と怒り心頭だった。
阿炎は昨年11月の九州場所の前に不適切な動画をSNSに投稿し、厳重注意を受けた。今年2月のSNSに関する研修会では「寝ていたから聞いていない」との発言が問題視され、2度目の厳重注意となった。またしても起きてしまった自覚に欠ける行動は、休場で済むほど軽くはない。
《阿炎の問題行動》
▽不適切動画 昨年九州場所の前に、十両・若元春の手足や口などをガムテープで縛った動画を投稿。悪ふざけのつもりだったが、インターネット上で問題視するコメントが広がった。これを機に力士、親方の個人的なSNSが禁止となった。
▽不適切発言 今年2月のSNSに関する研修会終了後、感想を求められると「寝ていたから何も聞いていない」などと発言。実際にはちゃんと聞いていたが、報道陣をはぐらかすための言葉が問題になった。