新ビーチの妖精・坂口佳穂 相棒の村上礼華とともにビーチバレー界初のファンクラブ設立の理由

2020年09月30日 09:00

ビーチバレー

新ビーチの妖精・坂口佳穂 相棒の村上礼華とともにビーチバレー界初のファンクラブ設立の理由
<ジャパンビーチゲームズフェスティバル千葉2020>笑顔を見せる坂口佳穂 Photo By スポニチ
 誰よりも強く、可愛く――。ビーチバレー女子で、“新ビーチの妖精”と呼ばれる坂口佳穂(24=マイナビ/KBSC)村上礼華(23=ダイキアクシス)組は、そのコンセプトを胸に世界と戦っている。今年6月にはビーチバレーの現役選手として、初めてファンクラブを設立した。2019年1月からペアを結成し、昨季は国内ツアー3勝、FIVB(国際バレーボール連盟)ワールドツアー(1―Star)で初優勝。伸び盛りの新星ペアが、ニュースタイルを切り拓く。
 自分たちのことを知ってほしい。競技の魅力を伝えたい。その思いから始まったのが、坂口と村上のオフィシャルファンクラブだった。6人制のインドアと違い、ビーチは国際大会の生中継などなく、レジャーとして捉えられることが多い。

 坂口は「ビーチバレーって選手の応援の仕方が分かりづらいので、作ってみても面白いのかなって思ってやってみました」と話した。有料会員になると試合のライブスコアに加え、2人の写真や映像が見られる特典がつく。ファンクラブのTシャツも販売し、実際に着用して応援に来てくれたファンもいるという。

 18年の世界大学選手権で1度ペアを組んで以来になるが、1歳違いという年の近さもあり、息はぴったりだ。坂口は「礼華(村上)とは、東京、パリ五輪まで一緒にやりたい」と語り、村上も「五輪に出場するペアは、組んでいる時間が長いからこそ強いのではないかと思う。解散する気はありません」と相思相愛ぶりを見せつけた。

 一方で2人を悩ませているのは、ファン層の偏りだ。現会員は全員男性で、SNSのフォロワーも9割が男性だという。村上は「応援してくれる人がいるのはうれしいことですが、やはり女性ファンも増やしたいですね」と苦笑いを浮かべた。

 特にSNSでは“変なコメント”が来ることもある。記者も女性アスリートについて書いた記事に対して“変なコメント”がつくことがあり、嫌気が差すことが多々ある。それがアスリート本人ともなれば、精神的な負担も大きいだろう。

 もちろん選手として応援してくれているファンがいることは2人とも理解しており、だからこそファンクラブを作ったという。それでも坂口は「変なコメントに書かれるような、そういう風に見てほしくて競技しているわけではない」ときっぱり。そんな意見が出ないくらい、2人はこれからも成長を続ける。

 今年5月に行われる予定だった東京五輪日本代表決定戦は新型コロナウイルスの影響で延期となり、現在代表選考は完全にストップ。海外のワールドツアーの日程も決まっておらず、国内ツアーも立川立飛大会(10月31日~11月1日、東京・タチヒビーチ)の1試合のみ。

 現在国内ポイントランキングで6番手に位置しており、もし昨年の同じ要項で代表決定戦が実施されれば出場できるが、気は抜けない。2人は「東京五輪を目標にやってきたが、今は代表決定戦出場が目標。国内の試合が少ない分、出場すれば全力で結果を残したい」と決意を口にした。いつか2人が出場する試合には、男女問わずファンが応援に駆けつける未来に期待したい。 (小田切 葉月)

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