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川内優輝 マラソン補欠解除「議論必要」と私見 「アテネや北京よりギリギリで遅いくらい」競技特有の背景

2024年08月12日 15:58

陸上

川内優輝 マラソン補欠解除「議論必要」と私見 「アテネや北京よりギリギリで遅いくらい」競技特有の背景
川内優輝 Photo By スポニチ
 MGC4位でパリ五輪男子マラソンの補欠となっていた川内優輝(37=あいおいニッセイ同和損保)が自身のX(旧ツイッター)を更新。五輪マラソンの補欠制度について私見をつづった。
 今回の五輪女子マラソンで日本記録保持者の前田穂南(天満屋)が右大腿骨疲労骨折のため欠場。前田はレース前日の欠場発表となり、2日に既に補欠を解除(男子は1日)していたこともあり、細田あい(エディオン)との入れ替えは不可能だった。

 日本陸連の高岡寿成シニアディレクター中長距離・マラソン担当は、競技終了時に取材に対応。補欠解除の期限は日本陸連が独自に設定したもので、高岡SDは「選手、補欠の立場も考慮してあのタイミングになった。調整期間に入ってからの怪我のリスクは、練習期間よりも低くなることを考慮した。調整期間に入る前のタイミングで解除してあげることが補欠選手の精神的ストレスの解消にもなると思って設定した」と説明。

 ただ、男子で金メダルを獲得したのは補欠から出場したタミラト・トラ(エチオピア)。今後の大会での補欠のあり方について、同SDは「(今大会の)振り返りはしないといけないし、別のやり方で考えていかないといけないのか、話を進めていかないといけない」と話した。

 川内自身は1日に補欠が解除され、「本日までで予定通りパリ五輪補欠解除となりました。故障が完治せず、補欠として充分な準備、役割を果たせず申し訳ない気持ちで一杯です」とXに投稿していた。

 今回は「マラソンの補欠問題について」と題して投稿。

 「陸連の高岡シニアレースディレクターは2004年のアテネ五輪でマラソンの補欠でした。そのため、他の陸連幹部以上に補欠選手の立場や心境を理解しています」と高岡氏の立場を解説。

 「10日前の補欠解除も1ヶ月以上前に解除されたロンドン五輪や2週間以上前に解除されたアテネ五輪や北京五輪よりもギリギリでの解除で遅いくらいでした。なお、陸上競技ではリレーとマラソン以外で補欠は設定していません。また、JOCが競技団体ごとに派遣枠を設定しているため、派遣枠を使ってしまう補欠を現地に連れていけないのです」と記した。

 また「補欠解除の時期は既に海外で高地合宿に入っており、そのまま日本に帰国せずに現地入りするチームも多くあります。他の団体競技と違って、マラソンの場合は各選手がチーム毎にバラバラに調整練習を進めているため、数ヶ月前のメディカルチェック以降は定期的な練習報告でしか情報が把握できません。かつてのマラソン選手は選手村にも入らずにチーム毎に独自の調整を進めたケースもあったと聞きます。補欠のあり方については、これらを踏まえた上での議論が必要です」とした。

 フォロワーからは「一般人でも今回の件が如何に難しい判断だったか理解が深まりました」「選手個人を責めるのではなく、これから議論されていくことを見守りたい」「JOCや陸連の補欠や派遣枠の考えに違和感」などとコメントが寄せられた。

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