大の里 能登に「勇気を」 大関昇進後、地元石川に初凱旋
2024年10月07日 04:39
相撲
新大関は約4700人の大声援を受けると一層、表情を引き締めた。「1年前とは違う。石川のたくさんの方々におめでとうと言っていただき、本当にうれしかった。凄いパワーをもらった」。出身地の津幡町から駆けつけた父の中村知幸さんも「ありがたいことです」と感謝した。
この日は八角理事長が来場した。異例の“御前稽古”では琴桜、豊昇龍と今巡業初となる大関同士の申し合いで汗を流した。大の里は2度目の優勝を遂げた秋場所で威力を発揮した左おっつけなどを披露し、4勝3敗。「番数は少ないが、いい稽古ができた。これからどんどんやっていきたい」と意欲的に話した。
石川県では1月1日の能登半島地震に続き、先月は能登地方を中心に記録的な豪雨に見舞われた。改めて故郷への思いを問われ「能登から来ました、などたくさんの声をもらった。大変な状況が続いている。少しでも勇気や元気を与えられたら」と話した。全25日間の秋巡業はまだ始まったばかり。九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向け「やはり稽古が大事になる。しっかり準備をして優勝を目指したい」と力強く結んだ。
【八角理事長厳しく指摘】昨年8月の札幌巡業以来の巡業視察となった八角理事長は「いい雰囲気で相撲の(持つ)強さを感じた。力士と触れ合いができる巡業は大切」と述べた。朝稽古では土俵下から3大関の申し合いを見守り「(豊昇龍、琴桜の)先輩大関は焦らないと駄目。大の里はぶつかり稽古をもっとやらないといけない」とさらなる奮起を求めた。また秋場所全休し、今巡業から復帰した横綱・照ノ富士については「体(の筋肉など)が落ちている。次の場所に向け、慌ててやっていかないと」と指摘した。