国学院大 出雲駅伝Vは「出来杉君」 平林主将のストイックな姿勢がチームに浸透 箱根制覇へ好発進
2024年10月15日 04:20
陸上
トップでたすきを受け、4秒差で今大会1万メートル最速の駒大・篠原、24秒差で青学大・太田が追いかける展開。10・2キロの短期決戦の距離適性では篠原に分があるだけに「ラストスパートに持ち込みたくない。ロングスパートを考えていた」。並走したライバルを5キロ過ぎのアップダウンで振り落とし、トップを死守した。前田康弘監督(46)は「エース対決で仕留めてくれた。物語として出来杉君」とジョーク交じりに褒めた。
2月の大阪マラソン優勝も、平林は「(チーム強化の)きっかけの一つに過ぎない」と平然と言う。来年9月の世界選手権(東京)マラソン出場を目指して夏は1カ月1100キロほど走破。全員に目標達成の検証や時間厳守など細部まで求めた。主将のストイックな姿勢が浸透し、練習から緊張感に満ちたチームに生まれ変わった。「ここで勝ったのは始まり。箱根駅伝総合優勝が一番の目標。チャンスをつかんでいきたい」。学生最強ランナー率いる国学院大が、上昇気流に乗った。 (大和 弘明)
【駒大 篠原涙V3逃す】
アンカー対決で敗れた駒大主将の篠原(4年)は号泣。「1~5区がレースをつくってくれた。自分のせい」と厳しく自己分析した。3連覇を逃して2位となったが、エース佐藤(3年)が故障で欠場した影響もあった。藤田敦史監督は「篠原だけの責任ではない。チームとして力をつけていかないと。(佐藤)圭汰抜きで、けん制という意味でインパクトを与えられた」と話した。
【青学大 リード生かせず】
昨年度の箱根優勝校・青学大は前半のリードを生かし切れなかった。3区・黒田(3年)で首位に立ったが、5区の若林(4年)で3位後退。アンカー勝負の前に国学院大と24秒差がついていた。「かっ飛ばせ大作戦」を掲げた原晋監督は「1区から勝てるというタイミングがなかった」と苦い表情で語りながらも「距離が延びてきた方がうちは得意。全日本はしっかり狙いにいく」と巻き返しを期した。
【創価大 吉田9人抜きで4位】
創価大2区の吉田(4年)が9人抜きの力走を見せた。10位で受け、トップでたすきリレー。チームは目標の3位以内に届かなかったが、最高成績となる4位に貢献したエースは「安定してタイムが出せるようになった。仕事を果たせてホッとした」と話した。昨年は準優勝ながら1人のドーピング違反で失格。前回5区区間賞のはずだった吉田の記録も無効とされており、その悔しさも晴らした。
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