“ジャイアン”白根　ラミ監督の前で豪快スイング　育成ソフトＢ時代バネに

2016年02月05日 09:35

野球

“ジャイアン”白根　ラミ監督の前で豪快スイング　育成ソフトＢ時代バネに — ラミレス監督（左端）の前でフリー打撃を行う白根

　打球が次々と大きな弧を描いた。ＤｅＮＡに新加入した白根が４日、ケガの宮崎に代わって１軍に合流。フリー打撃でパワーを見せ、ラミレス監督に猛アピールした。

　「目指していたのは高く、強い打球。きょうはそういう打撃ができたと思う。ソフトバンク時代は角度のある本塁打はなかったので」

　３７スイングし、柵越えは３本ながら、フェンスを襲う当たりが相次いだ。ソフトバンクでの４年間は結果を残すことに必死で「自分で自分の長所を消してしまった」。安打にこだわるばかりに本来のスイングを見失った。

　開星時代には「島根のジャイアン」と呼ばれ、１０５キロの巨体で４０本塁打を記録した。当時を「僕の本来の打撃」と振り返る。プロで一時７８キロまで減らした体重も、「ベスト」という９０キロまで戻った。豪快なスイングから放つ「強く、高い打球」を再び追い求める。

　きっかけはオフの決断だった。育成選手としての再契約を断り、他球団での支配下登録を目指して１２球団トライアウトを受験した。「自分がなぜこの世界に入れたかを見つめなおして、長打しかないと思った」。ＤｅＮＡとの契約を勝ち取ると、持ち味を取り戻すべく猛練習した。オフの完全休暇は３日間だけだ。

　全スイングを見届けたラミレス監督は「パワーがあるし、非常に良かった」と評価。打撃練習終了後には約５分の直接指導を施し、「もう少し下半身を使うようにすれば代打として試合の後半に出る選手になれる」と右の代打の切り札としての期待を口にした。「初めて１軍の監督に指導してもらった。ＤｅＮＡには拾ってもらった恩がある。まずは１軍で代打として結果を残したい」と白根。新天地で「ジャイアン」に戻ってみせる。（中村　文香）

　◆白根　尚貴（しらね・なおき）１９９３年（平５）４月２８日、島根県松江市生まれの２２歳。開星ではエースとして２年の春夏、３年夏に甲子園出場。高校通算４０本塁打の打力を評価され、１１年ドラフトで野手としてソフトバンクから４位指名されたが、右肩脱臼などの影響で１５年から育成契約。１メートル８５、９０キロ。右投げ右打ち。