×

阪神・岩貞 67日ぶりの5勝目は「長かったです」

2016年08月03日 05:30

野球

阪神・岩貞 67日ぶりの5勝目は「長かったです」
<D・神>阪神先発・岩貞
セ・リーグ 阪神6―2DeNA
(8月2日 横浜)
 阪神の岩貞は自信を持って腕を振った。8回、同点ソロを被弾し、なお2死一、三塁。迎えたのは7月だけで16本塁打を放つなど絶好調の筒香だった。3球目に投じた144キロ直球をはじき返され鋭いゴロは体の横を抜け、二塁寄りに守っていた鳥谷の正面へ。窮地を脱した直後に打線が4得点し、8回2失点で5月27日の巨人戦(東京ドーム)以来67日ぶりの5勝目を手にした。

 「しっかり腕を振っていけたので、野手の正面にいったのかなと思う」。

 自分の持ち味は直球―。夢舞台で原点を思い出した。初出場した今夏球宴では同学年の筒香など時間の許す限り、他球団の主力に自身のイメージを聞いて回った。返ってきた答えは直球への評価ばかりだった。

 「自分が思っていた以上に“岩貞の直球は良いから”と言ってもらったんで。当たり前のことかもしれないですけど、自分の武器はやっぱり直球なんだなと。負けてばかりでしたけど、後半戦へ気持ちを向けることができた部分はあった」。

 他球団の投手を粉砕してきた4番との真っ向勝負でも選んだのは直球。武器を信じ、奪った大きなアウト1個だった。

 “脇役”も快投を支えた。11奪三振のうち、5個は縦に曲がる大きなスライダーで奪った。プロ入り時から評価の高かった横に大きく変化するものと投げ分ける。大学時代は「おもしろいように空振りが取れていた」という宝刀も、1年目のキャンプ中に左肘を痛めて封印。患部の不安がなくなった昨年途中から2軍戦で投げ始めた。

 「体に肘を巻き付けるように投げるんです。大学時代は自分の投球の多くを占めたボールなんで。肘の心配がなくなって全力で腕を振れるからこそ、生きてくる」。

 勝てなかった2カ月間はフォームに大きな変化を加えて逆に結果が出ないなど試行錯誤を繰り返した。後半戦開幕を前に「腕を縦に振る」という開幕時の投球の基本を取り戻し、待望の復活を遂げた。「長かったです。久々に勝って良かった。チームに迷惑かけっぱなしだったので遠征の最初に一つ勝てて良かった」。超変革の申し子が逆襲へのろしを上げた。(遠藤 礼)

おすすめテーマ

2016年08月03日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム