【石井一久クロスファイア】メジャーキャンプで最も大切な住まい探し

2017年01月25日 12:30

野球

 メジャーのキャンプは、日本より約2週間遅れて2月中旬に始まるが、この時期は何かと準備で忙しい。チームホテルに泊まり、球場移動もチームバスを利用する日本とは違い、メジャーは全て個人で手配する。キャンプ地はアリゾナ州とフロリダ州に分かれるが、2つの州は避寒地にもなっているため、キャンプ中は人口が増える。宿舎やレンタカーも早めに押さえないと、約1カ月半のキャンプ生活を快適に過ごすことはできない。
 例えば車。僕はレンタカーを利用していたが、車好きの選手は、自分の車をトレーラーで運んでくる。当時ドジャースのキャンプ地はフロリダ州ベロビーチで、ロサンゼルスから約4200キロも離れていた。何日もかけて運ぶのだが、そのまま裸で荷台に乗せるか、コンテナに入れて運ぶかで料金も異なる。輸送中に石などが飛んできて高級車に傷がつくことを嫌う選手は後者を選択するが、3000ドル(約34万円)以上だったと記憶している。昨年はメッツのセスペデスが約4000万円のランボルギーニなど、6日連続で異なる高級車で登場し、話題を呼んだ。

 拠点となる住まい探しはもっと大切だ。マイナーの選手は球団が用意したホテルに泊まるが、メジャーリーガーは家族を連れてくるため、ほとんどの選手が一軒家やコンドミニアムを借りる。エージェントに頼んで、希望条件に合った物件をいくつか探してもらい、写真でチェック。僕は1年目はビーチに面した4階建てのコンドミニアムを借りた。長いキャンプ生活では気分転換も大事なので、釣りもよくやった。ただ、フロリダはハリケーンが多く、翌年は目の前にあったつり橋が崩れ落ちて、景色が変わっていたのには驚いた。

 気候が安定していて、キャンプ地も密集しているアリゾナでは、毎年探すのが面倒だからと、家を買ってしまう選手もいる。日本のキャンプは合宿のような感じだが、メジャーは個人に任されているため、快適な生活環境を整えることは野球に集中する上で大切だ。ちなみに、僕にとってキャンプ前の大事な“荷出し”は、ゲーム機を入れるのを忘れないことでした。 (スポニチ本紙評論家)

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