稲葉Jサヨナラ発進!開幕戦から日韓死闘 最後は田村が決めた
2017年11月17日 05:45
野球
グラウンドで喜ぶ選手と対照的に、稲葉監督はベンチで落ち着き払いコーチ陣と握手を交わしていた。4時間29分の激闘。打撃コーチだった15年プレミア12で手痛い逆転負けを喫した宿敵相手に劇勝。それでも「疲労感は想定内。選手の方が疲れている。僕はそこまでいっぱいいっぱいではなかった」。毅然(きぜん)と言った。
主導権は失い続けたが、侍大将として陣を解かず胸を張った。「終了まで諦めることはないし、選手は“絶対いける”という表情だった。結束力が最後の最後に出た勝利だと思う」。延長10回1死一、二塁、就任前から指導し続けた“稲葉2世”上林が救った。
指揮官は3番の近藤健との配置をこの日昼まで悩み抜いた。「山川の後を大事にしている」とし、宮崎合宿で全試合スタメン起用を伝え「彼と心中します」とまで言った。兄と弟が観戦する前で、稲葉監督そっくりの打撃フォームで輝いた22歳は「凄くうれしい。3点差ならいける気がしていた」。試合を決めた田村は「コンパクトに強い打球を狙った」とつなぎの野球を強調した。
「国際大会はこういうものだと選手も分かったと思う。みんなでつかんだ1勝」。20年東京五輪での金メダル奪取へ。ミスは出た。それでも、無限の可能性と進むべき方向性を示した初勝利だった。(後藤 茂樹)
▽アジアプロ野球チャンピオンシップ2017 新設された国際大会。日本、韓国、台湾で総当たり戦を行い、上位2チームが決勝に進む。勝率が並んだ場合はTQB(1イニング当たりの得点率と失点率の差)が大きい方が上位に。DH制が採用され、使用球はWBSC公認球。球数制限はない。延長戦ではタイブレークとなり、延長10回の攻撃から無死一、二塁(打順は継続)で開始。予選は延長12回打ち切りで、コールドゲームはなし。賞金は優勝2000万円、準優勝500万円。
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