【山形】斎藤VSマー君名勝負の陰で…名前負けしなかった日大山形の進撃

2018年06月15日 08:00

野球

【山形】斎藤VSマー君名勝負の陰で…名前負けしなかった日大山形の進撃
<日大山形・今治西>延長13回裏無死満塁、日大山形・秋場が中堅に犠飛を放ち、三塁走者・常川が生還、逆転サヨナラでベスト8入りを決めた(今治西投手・熊代) Photo By スポニチ
 【第88回大会3回戦   日大山形11―10今治西 ( 2006年8月16日    甲子園 )】 【スポニチ社員が選ぶわが故郷のベストゲーム】この夏、全国高校野球選手権大会は100回目。ふるさとチームの甲子園での活躍に熱くなった記憶を、北北海道から沖縄まで、今夏の代表校数と同じ56人のスポニチ社員がつづります。
 12年前の夏。私は札幌にいて、デスク稼業をしていた。北海道版の紙面は当然、駒大苫小牧一色。3年連続の全国制覇が現実になりそうなくらい、エース田中将大は力投を重ねていた。

 その最中「オッ、我が故郷が物おじしないで勝ち上がっているぞ!」と頼もしく眺めていたのが日大山形だった。

 スポーツ新聞社という職場は高校野球が好きで詳しい者が本当に多い。加えて詰まらないことをいつまでも話題にする者もいる。それだけに入社3年目の85年夏、東海大山形がPL学園に喫した7―29の大敗は、その後もよく話題になって、シラけさせられた。そうした長年のモヤモヤ気分を日大山形が払しょくしてくれた。

 2回戦で同じ東北の全国区・仙台育英を破り、3回戦へ。愛媛の全国区・今治西を延長で破って、県勢初の8強入りを果たした。それも勝負強さの証になる延長サヨナラ勝ちだった。

 この勝利の日、準々決勝の再抽選が行われ「駒苫とだけは当たらないでくれ」と願ったことを覚えている。ささやかな郷土愛。スポニチ北海道版としては当然、駒苫快進撃がありがたい。

 日大山形は早実と当たり、8強で止まった。早実は決勝で駒苫と再試合の末に優勝した。歴史に残る斎藤佑樹VS田中の投げ合いの陰で、たくましく名前負けしなくなった山形球児の姿が思い出される。日大山形は13年には全国4強。本当に素晴らしい。

 ◆富樫 嘉美(特集プロジェクトチーム)現在は月刊紙「スポニチ・アーカイブス」などを担当。櫛引町(現鶴岡市)出身で、庄内のチームにも頑張ってほしいと切に願っている。

 <山形データ>

夏の出場 57回(通算23勝57敗)

最高成績 4強1回(日大山形=2013年)

最多出場 日大山形(17)

最多勝利 日大山形(12)

出場経験 13校、うち未勝利7校

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