【西愛知】愛工大名電 2死満塁で現れた“甲子園の魔物” ユニホームの中にボールが…

2018年07月07日 08:00

野球

【西愛知】愛工大名電 2死満塁で現れた“甲子園の魔物” ユニホームの中にボールが…
<愛工大名電・清峰>初戦敗退し、甲子園を後にする愛工大名電ナイン Photo By スポニチ
 【第87回大会1回戦   愛工大名電2-4清峰 ( 2005年8月9日    甲子園 )】 【スポニチ社員が選ぶわが故郷のベストゲーム】この夏、全国高校野球選手権大会は100回目。ふるさとチームの甲子園での活躍に熱くなった記憶を、北北海道から沖縄まで、今夏の代表校数と同じ56人のスポニチ社員がつづります。
 一瞬、画面の向こうで何が起こったのか理解できなかった。0−0で迎えた5回、2死満塁。打ち取ったショートゴロを愛工大名電の遊撃手・柴田亮輔が捕球したように見えた。だが、二塁へ送球をせずアウトを取れなかった。

 私はテレビの前で「なんで!」と叫んだのを覚えている。リプレーで確認すると、ボールがユニホームの中に入り込み取り出せなかった。そんなことが起こるとは……本当に甲子園には魔物がいるのかと中学生ながらに思ってしまった。

 最後まで流れをつかめなかった愛工大名電は延長13回を戦った末、初出場の清峰に2−4で敗れた。この年の愛工大名電は間違いなく強かった。エースに斉賀洋平、2番手には十亀剣、打線は堂上直倫を中心に好打者が多くそろい投打に隙がなかった。神宮大会準優勝、センバツ優勝、愛知大会も危なげなく制した。しかし、春夏連覇の夢はまさかの1回戦で幕を閉じた。

 私が愛工大名電に入学したのは翌06年。公式戦ユニホームの胸元のボタンはボールが入らないように二重になっていた。頻繁に起こるとは思えないことに対策していたのを見て、何が起こるか分からないのが勝負の世界なのだと改めて知った。

 倉野光生監督は現在までに春は5回出場し、優勝1回、準優勝1回と成績を残すが、夏は7回出場で全て初戦敗退。今年は100回記念大会。東西で分かれる愛知大会だが、厳しい戦いなのは変わらない。でも、後輩たちには西愛知大会を制し、夏の甲子園初勝利を、日本一を恩師にプレゼントしてほしいと願っている。

 ◆齋木 駿(東京本社編集センター)2013年入社。08年、主将として愛知大会4連覇を目指したが、準々決勝で甲子園に出場した東邦にコールド負け。

 <愛知データ>

夏の出場 96回(通算129勝88敗)

最高成績 優勝8回(愛知一中=1917年、中京大中京=31、32、33、37、54、66、2009年)

最多出場 中京大中京(28)

最多勝利 中京大中京(78)

出場経験 18校、うち未勝利9校

 ※データは東愛知、西愛知を合算

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