パナ吉川、Dバックスとマイナー契約していた アマ野球界に激震 部長は活動自粛

2018年08月25日 05:30

野球

パナ吉川、Dバックスとマイナー契約していた アマ野球界に激震 部長は活動自粛
Dバックスと正式契約していたことが分かったパナソニックの吉川 Photo By スポニチ
 今秋のドラフト1位候補に挙がった社会人野球・パナソニックの吉川峻平投手(23)が、日本野球連盟(JABA)の登録規定に抵触していたと、24日に所属先が発表した。プロ球団と契約締結に必要な手続きを踏まず、大リーグのダイヤモンドバックスと入団契約書を交わしていたと公表。契約はマイナー契約で、米球界関係者によると契約金65万ドル(約7200万円)で8月10日に交わされたという。
 パナソニック野球部の公式サイトでの発表によると、吉川はJABAの登録規定に2カ所抵触していた。規定では、ドラフト会議開催日から翌年都市対抗終了日までの期間、プロ球団と交渉することはできないが、吉川は都市対抗前にダイヤモンドバックスと接触。さらに、契約を締結する場合は締結日以前に退部し、登録抹消届を提出することが義務づけられているが、提出前に交わした書類が正式な入団契約書だったという。

 吉川についてはメジャー挑戦する意向との一部報道が出た16日、同社関係者が「(先方と)契約を結ぶ意向です」と話していた。契約は10日に交わされたが、吉川本人や報告を受けていた部長、さらにはダ軍側も、これらの行為が規定に抵触すると知らなかったという。同野球部は吉川にこれまでの経緯を確認。23日付でJABAに報告し、吉川は日本代表に選出されていたジャカルタ・アジア大会の出場を辞退した。

 13年には、社会人クラブチームの「エディオン愛工大OB BLITZ」に在籍していた沼田拓巳投手(現ヤクルト)が登録抹消前にドジャースとマイナー契約を結び、除名処分となっている。吉川は「社会人No・1」の呼び声が高いドラフト1位候補だけに、アマ球界関係者は「大問題」とも話している。

 吉川と野球部の部長は、今後活動を自粛する。同部はホームページ上に「多大なるご迷惑をお掛けしたことを深く反省し、おわび申し上げる」とのコメントを掲載。広報担当は「ざんきに堪えない恥ずかしい話」などと話した。今後はJABAの判断を待って対応を協議していくが、関係者によれば、ダ軍との契約が正当なものかを確かめる国際弁護士を交えた協議に発展する可能性もあるといい、波紋を広げそうだ。

 ◆吉川 峻平(よしかわ・しゅんぺい)1995年(平7)1月24日生まれ、大阪府吹田市出身の23歳。関大北陽では1年秋から正遊撃手で、2年夏から本格的に投手転向。関大では3年春から本格的に登板。パナソニックでは1年目の17年都市対抗1回戦で14奪三振完投勝利。16年日米大学野球日本代表。1メートル85、80キロ。右投げ右打ち。

 ▽パナソニック野球部 大阪府門真市に本拠地を置き、日本野球連盟に加盟する社会人野球チーム。52年に野球部発足。08年に松下電器産業がパナソニックに社名変更したのに伴い、チーム名を「パナソニック野球部」に改称。都市対抗野球大会準優勝1回、日本選手権大会優勝2回、同準優勝2回。多数のプロ野球選手を輩出してきた名門で、主なOBは福本豊(元阪急)、潮崎哲也(元西武)、小池秀郎(元近鉄)ら。

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