智弁和歌山 高嶋監督勇退「ノックできなくなった」
2018年08月26日 06:00
野球
「48年間、高校野球に携わり、いずれは辞める時がくる。それがたまたま今になりました。ノックができなくなったのが大きな要因の一つ。もう一つは体力的なもの。この歳になると、いろんな病気もありますから」
大学卒業と同時に歩んだ指導者人生。大切にしてきた一つがノックだった。「対話」と表現し、選手とコミュニケーションや絆を深めてきたが、近年は満足にノックを打てないもどかしさも抱えていた。「この選手がどうしても必要だという時は追い込みました。芯の強さはそういう練習で培われますから」。1学年10〜12名の少数精鋭で戦い、猛練習で強力打線を築いた。
甲子園初優勝は1994年の春。夏は97年と00年大会を制した。特に00年夏のチーム本塁打数11とチーム安打数100は現在でも大会記録だ。積み上げた監督通算勝利数68は歴代最多を誇る。「記録は抜かれるためにある。まあ、時間の問題でしょう」。一番の思い出には初優勝を飾った94年の選抜大会で劇的な勝利を飾った準々決勝・宇和島東戦を挙げた。当時同校を率いた上甲正典監督(故人)とは公私で親交が深かった。
「野球は自分の人生そのもの。長いようで短かった。悔いが残るのは、売り出し中の大阪桐蔭を倒せなかったこと。中谷監督に引き継いで欲しい」
今の3年生は今春の選抜決勝で敗れるなど入学後は5戦全敗。退任を決めても消えない執念をのぞかせた。48年に及ぶ波瀾(はらん)万丈の監督人生。甲子園にかける思いが原動力だった。「甲子園に出て負けて帰ると、1週間後に震えが出る。禁断症状なんですよ。そうすると“コノヤロー”ってノックを打つんです」。聖地に愛され、聖地に取りつかれた男は豪快に笑った。(吉仲 博幸)
◆高嶋 仁(たかしま・ひとし)1946年(昭21)5月30日、長崎県五島市福江島出身の72歳。海星(長崎)では2、3年時に夏の甲子園に出場。日体大を経て72年、智弁学園(奈良)の野球部監督に就任し、春2度、夏1度の甲子園出場へ導く。80年に智弁和歌山へ移り、創部2年目の無名校を春12度、夏23度出場の強豪に育て上げた。甲子園大会の初優勝は94年春。夏は97年と00年の2度制覇。監督通算68勝(35敗)は歴代最多。
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