ハム選手会長・中島に聞く 濃密な1年「勝って喜ばれることが使命」
2018年11月09日 10:00
野球
![ハム選手会長・中島に聞く 濃密な1年「勝って喜ばれることが使命」](/baseball/news/2018/11/09/jpeg/20181109s00001173106000p_view.jpg)
「故障(6月下旬に左大腿四頭筋肉離れ)もあって全143試合に出場することはできなかった(出場132試合)けど、規定打席に到達することはできたし、最低限の仕事はできたと思う。でも守備でエラー(チーム最多の13)も多かったし、まだまだやらなければいけないと思います」
――5月12日のソフトバンク戦では自身初のスタンドへの一発(※1)となる決勝の満塁弾も放った。
「あれは本当にたまたま。調子自体はどん底だったから何も考えずに割り切って直球一本に絞っていた。そこに体に近いところに変化球が来て自然にクルッと体が回って、うまく引っ掛かってくれた。その後もしばらく不振は続きましたから」
――7月以降、調子が上がった要因は?
「最初に構えた時のバットの位置を、できるだけトップに近いところに持っていってボールに対し早くバットを出せるようにした。それからカウントによっては右方向に強く引っ張る打球も増えていきました」
――今年は選手会長としても8月下旬に遠征先の宮崎で決起集会を開催するなどチームをまとめた。
「今年からキャプテンになった中田さんとも話す機会が多くなったし、なんとかチームがうまくまとまるように自分なりに考えながらやりました。高校(福岡工)までそういう立場になったこともなかったので。8月は西武と優勝を争っていたけど、負けも多くなっていった時期。自分は言葉で周囲を引っ張るようなタイプではないけど、決起集会を企画することで、何かきっかけになればいいと思った。いいタイミングでできたと思います」
――今季は優勝は逃したものの、大谷、増井ら主力が流出しながら3位。CSファーストSでソフトバンクに敗れた(※2)が将来の中軸候補の横尾、守護神1年目の石川直ら若手が経験を積んだ。
「やっぱり若い選手が成長するにはプレッシャーが多い試合をどれだけ経験できるか。そこで課題や自分に足りない部分が見えてくるし、“もっとやらなければ”と思える。そういう意味でもCSに出場できたのはよかったと思う。個々が危機意識と向上心を持たないと、来年以降に優勝はできないと思う」
――今回、大田、杉谷とともに野手最年長として参加している秋季キャンプでも若手と積極的にコミュニケーションを取っている。
「若い選手が多いし、自分だけのことをやっていればいいという年齢や立場でもない。今回はみんな声も出ているし、いい雰囲気で練習ができていると思います。個人的なテーマは体力強化。ウエートも増やしてます」
――改めて3年ぶりの優勝を目指す来季に向けて。
「今年は北海道で大きな地震(9月6日に発生した北海道胆振東部地震)もあったけど、つらい思いをした方々に優勝の歓喜を届けることができなかった。チームとしてできる限り復興の手助けをしたいし、何より試合に勝って喜んでもらうことが使命だと思っています」
※1 昨年7月30日のソフトバンク戦で史上最も遅いプロ通算723試合目、2287打席目でプロ1号を放ったが、打球の到達地点はヤフオクドームの右翼フェンス手前に設置されたテラス席。今年5月12日のソフトバンク戦では右翼席に飛び込む“正真正銘”の一発だった。
※2 10月13日に開幕したCSファーストSはソフトバンクを相手に1勝2敗で惜しくも敗退。それでも横尾が3試合で2本塁打を放ち、勝利した14日の第2戦では今季から守護神を務める石川直が最速154キロをマークするなど2点リードの9回を3者凡退で締めた。
【取材後記】中島は昨年オフに選手会長に就任。当時は「高校(福岡工)時代も含めてチームをまとめるようなタイプではなかった。まだイメージもできてない」と不安な心境を吐露していた。それでも若くして遊撃のレギュラーをつかんだ27歳は責任感が強く、主将の中田とも積極的にコミュニケーションを取り、チームの「まとめ役」として機能した。
そして今月24日に札幌ドームで行われる「ファンフェスティバル」では大事な役目を担う。過去に同職を務めた鶴岡と新旧選手会長がGMとしてチームを編成し、対抗戦を行うのだ。「もうドラフトは終わりました。何とか戦える戦力にはなったと思います」と中島。グラウンドと同様、勝負に徹するようだ。(山田 忠範)
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