イチ、深夜の会見で語った誇り 現役で貫けた「野球を愛したこと」
2019年03月22日 05:30
野球
――引退を決めたタイミングは。
「キャンプ終盤ですね。元々日本でプレーするところまでが契約上の予定だったが、キャンプ終盤に結果を出せずに、それを覆すことができなかった」
――後悔はあるか。
「今日のあの球場での出来事、あんなものを見せられたら、後悔などあろうはずがありません。自分なりに頑張ってきたということははっきりと言えるので、これを重ねることでしか後悔を生まないということはできないと思います」
――印象に残るシーン。
「時間がたったら、今日のことが思い浮かぶことは間違いないと思います。いろいろな記録に立ち向かってきたんですけど、いずれ後輩が先輩たちの記録を抜いていくことはしなければいけないこと。そんなふうに今日を迎えると小さく見えるんですよね。去年の5月以降、ゲームに出られない状況にあって、そのあと練習を続けてきたけど、それを成し遂げなかったら今日ここに立てなかった。去年の5月からシーズン最後の日まで、あの日々はひょっとしたら誰にもできないかなと、小さな誇りを生んだかなと。どの記録よりも自分の中では、ほんの少しだけ誇りなことかなと思います」
――ファンの存在。
「印象として、日本の方は表現することが苦手、そんな印象があったんですけど、完全に覆った。内側に持っている熱い思いが確実にそこにある。(自身は)ある時までは自分のためにプレーすることがチームのためになる、見てくれてる人も喜んでくれるかなと思ってたんですけど、ニューヨークに行ってから、人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わった。ファンの方がいなければ自分のエネルギーが生まれないといってもいい」
――現役生活で貫けたことは。
「野球のことを愛したこと。これは変わることはなかった」
――グリフィー氏が肩の力を抜いた時にまた変わると言っていた。その瞬間は?
「それはないですね。プロ野球選手になって2年くらいですかね、1軍に行ったり、2軍に行ったりというときは楽しかった。94年に仰木監督に使っていただいたときまでは楽しかった。そのあとは急に番付を上げられちゃって、そこからは苦しかった」
――大きなギフトとおっしゃっていた。これから私たちにどんなギフトを。
「そんなのないですよ。むちゃ言わないでくださいよ。誰かの思いを背負うのは重いこと。そうやって一打席一打席立つのは重かった。応えたいっていうのは当然。僕には感情がないって思っている人がいるけど僕にも感情がある。結果残して終わりたいって、ああいう結果になって、それでもああやって球場に残ってもらって、死んでもいいってそういう感じですよね」
――50歳までと言っていたが、日本でプレーする選択肢は。
「最低50までって本当に思っていて有言不実行の男になってしまったけど、そう言ってこなかったらここまでこれていないと思う」
――現役終えたら、何をするのか。
「何になるのだろう。そもそもカタカナのイチローってどう?どうなの?元イチローだし、元はイチローだし、書くときどうなるんだろう。監督は絶対無理。これは絶対がつきます。人望がない、本当に。それくらいの判断能力は備えていますよ。ただ、プロの世界というよりも、アマチュアとプロの壁が日本の場合特殊な壁が存在しますよね。今日をもって、元イチローになるので、小さな子供、なのか中学生なのか、高校生なのか、大学生なのか分からないですけど、そこには興味がありますね」
――引退決断の理由を改めて。
「マリナーズ以外には行く気持ちがなかったということは大きい」
――弓子夫人は。
「一番頑張ってくれた。僕は休まないですけど、妻には休んでほしい。僕はアメリカで、3089本のヒット打ったわけですけど、ホームの時は、妻の握ったおにぎりを球場に持っていって、おにぎり食べる。球場に持って行って食べたのは2800くらい。妻は3000は行きたかったみたいですね。そこは、うーん、3000個握らせてあげたかったな。(愛犬の)一弓は現在17歳と7カ月。おじいちゃんで毎日ふらふらしてるんですけど、懸命に生きてるその姿をみてたら、俺頑張らなきゃ、と本当に思いました」
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