大船渡・佐々木は170キロ投げる!動作解析専門家が人類最速予言「そう遠くない将来に」
2019年06月27日 10:30
野球
動画を基にした「スティックピクチャー」でも、(2)で左足を高々と上げている姿がひときわ目立つ。「この姿勢が全てと言ってもいい。一切ぶれないし、右足に完全に体重を乗せている」。そこから(3)の「上半身に力みがなく、脱力感がある。これは大谷投手(エンゼルス)にもない高等技術」。学生を指導する立場にある川村准教授だが、選手に「力を抜け」というのが何より難しいという。佐々木朗は「脱力」から一気にパワーを開放する。
(4)~(5)では右股関節に体重を乗せながら、肩は水平のまま体重移動をしている。前田(ドジャース)タイプの投げ方で、右肘が上がりやすいという。そして「(6)では踏み出した左足もぐらつかず、(8)の右腕のしなりも素晴らしい」。下半身の力が上半身、そしてボールへと非常によく伝わる理想的な投げ方だが、ここから170キロへと壁を破るためにはどうすればいいのか。
課題は上半身にある。「下半身主導のフォームでリードするのはいい。あとは上半身の強さが組み合わされば」。現在のフォームでいえば(7)ではボールを持つ右手が頭から離れている。「遠心力がかかると遠回りしがち。それだと力が外に逃げる。コンパクトに、体に巻き付くよう腕を振りたい」。(10)でも投げ終わった右腕がムチのように体に巻き付くのが理想だ。
「大谷投手の上をいく可能性もあるし、ポテンシャルはとてつもない。未完成ながらこれだけの数字を出す。完成したら、いったいどれぐらいのボールを投げるのか」と川村准教授。人類最速投手へ、佐々木朗の未来図は果てしない。
≪人類限界は「180キロ」≫人間が投げる球速の限界は果たして何キロなのか。川村准教授は「170キロはすでに投げている投手がいる。180キロぐらいが限界ではないかと思います」と予測した。
投手がボールを投げる際には、前腕と上腕の骨をつなぐ「じん帯」に大きな負担がかかる。一般的にじん帯が切れてしまうとされる負荷は「34±12ニュートンメートル」。川村准教授によると、プロレベルの投手は1球投げるごとに60ニュートンメートル以上の力が肘、じん帯にかかるという。
投手の肘は1球ごとに猛烈な負荷に耐えている形になるが「ただ、これは瞬間的な数字。じん帯は適応して太く、強くもなります」。その人が持つじん帯がいかに適応できるかが、180キロを投げられるかの鍵となる。
○…現時点の「世界最速」はメジャーでの105・1マイル(約169・1キロ)。動作解析システム「スタットキャスト」が導入された15年以降の数字で、チャプマン(ヤンキース)とヒックス(カージナルス)がマークした。日本プロ野球での最速は大谷(日本ハム)が記録した165キロ。16年10月16日、ソフトバンクとのCSファイナルS第5戦で計測した。
≪リミッター外して大台再び≫佐々木朗は4月6日のU18代表候補による研修合宿の紅白戦で、高校歴代最速の163キロをマークした。それでも、同月中旬に骨密度を測定したところ、国保監督は「(160キロ超の)球速に耐えられる骨、筋肉、じん帯、関節ではなかった」とし、本人も理解した上で球速をセーブすることを決め、以降は球速を145キロ前後に抑えている。
同監督は「体が投げられる状態で相手打者に効果的であるなら」と前置きした上で「夏の大会で(160キロ超の球を)投げると思う」とした。佐々木朗は「強く投げるよりもストライクを放ることが大事」と強調するが、どこでリミッターを外すか注目が集まる。
おすすめテーマ
2019年06月27日のニュース
特集
野球のランキング
-
ファン投票では12球団唯一ゼロ…中日、高橋周平が選手間投票で選出 初の球宴「自分のプラスに」
-
広島エース&主砲がファン投票に続き選手間投票もW選出 大瀬良「また違う喜び」誠也「大変嬉しく」
-
それはグラブじゃなく、鳥越コーチの「手」なのだ
-
楽天・浅村 ファン&選手間W選出に喜び「ひとつでもいいプレーが出来るように」
-
-
オリックス メネセスと契約解除 本人コメントも発表「今回の結果にはショック…受け止めるしか」
-
「夢」を売る甲子園の野球グッズ――創業者の遺志継ぎ、シャープ産業が展示室
-
球宴、選手間投票結果発表 巨人・丸、中日・高橋らが新たに選出
-
ソフトB4選手が選手間投票で選出 千賀「松田さんがいるので…後ろでニヤニヤしながら見たい」
-
阪神・梅野 球団捕手初の球宴選手間投票選出「使ってくれる矢野監督に感謝」ファン投票とW選出
-
DeNA・ロペス 選手間投票で2年連続球宴出場「守備でも喜んでもらえるプレーを」
-
大谷 自己最速打球185キロ二塁打に「角度がつけばもっと良かった」
-
【28日の予告先発】セ、パ再開 DeNA・今永VS広島・大瀬良
-
日本ハム 9月に5試合「秋の大感謝祭」コンセプトは北海道への感謝
-
ヤンキースが29試合連続で本塁打 メジャー記録をさらに更新 次戦はロンドン
-
メネセスから検出「スタノゾール」 ベン・ジョンソンも使用
-
ドーピング違反…元楽天アマダーは6カ月間の出場停止処分受け退団
-
オリックス・メネセスから禁止薬物検出 1年間の出場停止処分
-
ドジャースのマーティン捕手が5番手で登板 三振1つを奪って無失点
-
ダルビッシュ 11試合ぶりに勝敗つくも黒星…5回5失点で今季4敗目
-
ロッテ 売り子ペナントレース6月1位は2年目のあやかさん
-
大谷 “技あり”3の3&1盗塁で躍動 チームの3連勝に貢献
-
ダルビッシュ 5回5失点で降板…60日ぶり白星ならず
-
巨人 新外国人デラロサが入団会見「光栄に思う」 背番号は「97」
-
大船渡・佐々木は170キロ投げる!動作解析専門家が人類最速予言「そう遠くない将来に」
-
ドラ1候補勢力図に変化 佐々木圧倒的も興南・宮城の評価急上昇
-
7・11フレッシュ球宴で集結「高校BIG4」“出遅れ”中日・根尾は静かな闘志
-
大谷、同僚ラステラを“援護” 球宴出場へ投票呼びかけ
-
阪神・近本“虎の穴”で磨いた自慢の足 関学時代に“ケガの功名”
-
大谷 手術後初297日ぶりにブルペンで投球練習「懐かしかった 楽しかった」
-
広島、先発ローテ再編 リーグ戦再開初戦は大瀬良 谷間に2年目・遠藤初先発も
-
阪神・鳥谷38歳の決意 代打でもがく今季「一つでも勝ちに貢献できるように」
-
大船渡・佐々木に試練の夏 10日間で6戦の超過密日程 初戦は7・15
-
夏の甲子園、岩手、石川などで組み合わせ決定 星稜・奥川の初戦は…
-
輝星、根尾にリベンジ誓う フレッシュ球宴で激突「直球だけで抑えたい」
-
巨人、左右中継ぎを補強 日本ハムと2対2トレード 藤岡&鍵谷を獲得
-
日本ハム栗山監督、3年ぶり復帰の吉川に期待「長いイニング投げられる」
-
巨人・菅野9連戦初戦で雪辱果たす「ベストに持っていく」7・2中日戦先発へ
-
ヤクルト山田、得意の秋田で1000安打決める 巨人との2連戦に気合
-
広島“中崎不在”総力戦で乗り切る 佐々岡コーチ「今の布陣で戦う」
-
DeNAラミ監督、新目標を設定「5割復帰&Aクラス」
-
中日・笠原、一日限定で1軍練習参加 不整脈手術から復帰へ「ファームで結果残す」
-
阪神・矢野監督ミス撲滅へ意識改革 大山ら若手へ「ここから、どううまくなるかが大事」
-
阪神・上本、練習試合で生涯初の一塁 矢野監督ニヤリ「広がるね」
-
阪神・青柳、リーグ再開初戦先発で闘志「ありがたいこと」
-
オリ「5番・中川」継続へ 新人初の交流戦首位打者 西村監督「勝負強い」
-
オリ増井が1軍合流 28日から昇格へ 当面は“8回の男”
-
楽天・則本1軍復帰へ順調「嫌な痛みない」次回登板は7.2有力
-
ソフトB松田、自身初の交流戦MVP「素直にうれしい気持ちでいっぱい」
-
ディオーネ3連勝 アストライアに快勝 榊原がV打
-
ルール認知されてる?球宴ファン登場新方式は“失策”か
-
大谷、27日にブルペン投球 トミー・ジョン手術後初めて
-
マー君、歴史的一戦へ「準備しっかり」30日にロンドンでRソックス戦
-
マエケン、マイナー契約の北方と対面「諦めずに頑張れ」