ハマの「4番・主将」といえば佐野と言われるように!メジャー移籍筒香の“後継者”25歳の決意
2020年03月20日 08:30
野球
「序盤は調子が上がらず苦しんだ部分もありました。でも調子が上がってくるとポジティブに打席に向かえた。やっぱりスランプの時期が長ければ長いほど苦しむんだなと感じることができました」
――序盤は不振だった。
「打席で打てそうなイメージがなくて…。毎日4番というのがモヤモヤすることもあった。それでも僕の立場は打たないといけない。自分の打撃を信じてやりたいと思った。シーズンに入って調子が悪い時もそうしたい」
――昨年も11試合で4番に座った。
「昨年も何回か経験したけど、このオープン戦で4番に入ったことの方が本当の4番というものを知れた。まだ本当の意味では理解できていないかもしれないけど、この経験ができたのは大きいなと思います」
――その中で打点王。
「この打線を見ると、どこが鍵かと言われれば絶対に真ん中の僕だと自分も思っています。これだけ実績のある選手が前後に並んでいて、僕がもし活躍できたらこの打線は凄い打線になる。絶対に僕のところで勝負しに来るので、打点はやはり稼ぎたいなと思っています」
――チャンスに強いのは、昨年の代打での経験が生きているか。
「そうですね。2年目はチャンスでなかなか打てなかった。そのとき打席に入っている自分と、昨年チャンスで打席に入っている自分を客観的に見たら全然違う。昨年打てたこと、チャンスでたくさん使ってもらったことが、今の自分にいい経験となり、打席にいい精神状態で向かえている。2年目、3年目の経験が大きいなと思います」
――オープン戦の最終戦だった15日の日本ハム戦では昨季対戦打率が右投手の・302に比べて低い・258だった左投手(堀)から一発も放ち進化を見せた。
「昨年は左投手から長打や強い打球がなかなか打てなかった。左投手から引っ張って強い打球を打てるんだというのは自信になりました」
――今季から主将にも就任した。
「主将はもっとやりにくかったり、チームのことを考えすぎて自分のことができないのかなと思っていたけど、全然、そんなことはなく、周りに助けてもらっている。本当に自分は先輩、後輩に恵まれていると思います」
――理想のリーダー像は。
「僕が入団してから、ずっとベイスターズの主将は筒香さん。逆に言えば筒香さんがやっている姿しか見ていないですけど、本当に圧倒的な実力があり、野球以外のところの姿勢や考え方も凄かった。こういう人がリーダーなんだろうな、と思って見ていました」
――ムードメーカーでもあり「自分らしく明るく」を掲げている。
「主将になって人が変わったかのように硬くなったら、それは監督も求めているものではないと思う。そういうのを求めていたら僕以外の人を指名していたと思う。監督からも何も変えなくていいと言ってもらってるので凄くやりやすいです」
――「ポスト筒香」と呼ばれることは?
「“筒香さんの後釜として見てくれているんだ”と。僕からしてみればそんな感じです。そうやって言われるのは全然嫌ではないけど、いつかそれが言われなくなって、自分の名前だけで言われる日が来るようにしたい」
――ラミレス監督や周囲から大きな期待がかけられている。
「プレッシャーを感じれば感じるほど練習にも身が入ると思うタイプなんです。焦れば練習もしますし、だから逆にプレッシャーがプラスに働いているのかなと思います」
――チームとして個人としての目標は。
「チームは昨年2位で優勝目前までいった。“目標はリーグ優勝”と言えるところまで来ていると思う。僕が活躍して、リーグ優勝と日本一の中心にいられるようにしたい。一年間試合に出続けたことがないので数字は分からないけど、個人としての目標は毎日試合に出て規定打席。一日一日、目の前の試合のことだけを考えてやっていきたいと思います」
【取材後記】佐野が待ちわびる光景がある。「できたんですよ、ついに」。そう話すのは、自身の応援歌だ。昨季中から「僕の応援歌はまだないんです」とボヤいていただけに、待望の完成となった。しかし横浜スタジアムでのオープン戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響で全て無観客。「寂しかったし、ハマスタに毎日のように3万人以上の人が応援しに来てくれるのって凄いことなんだなと思った。僕が入団してからは毎日満員くらいの光景しか見ていなかったけど、本当に選手として幸せなことなんだな」とファンにもらう力を再確認したという。本拠地を埋め尽くしたファンが歌う応援歌を一身に浴びながら、打席に立つ。そんな日が訪れることを待ちながら、佐野は最善の準備を行う。(DeNA担当・町田 利衣)
◆佐野 恵太(さの・けいた)1994年(平6)11月28日生まれ、岡山県出身の25歳。広陵では甲子園出場なし。明大を経て、16年ドラフト9位でDeNA入団。17年3月31日のヤクルトとの開幕戦で代打としてプロ初出場。昨季は4月4日のヤクルト戦でプロ初の満塁弾を放ち、89試合で打率.295、5本塁打、33打点。1メートル78、88キロ。右投げ左打ち。
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