【球春ヒストリー(8)】1995年・市岡 エース井上「考える力」でつかんだ夢舞台
2020年03月27日 08:00
野球
2月上旬に左ふくらはぎ肉離れと腱の脱臼を併発し、テーピングで固定しての投球。9回まで4点でしのぎ延長に入ったが、10回1死満塁から4失点し力尽きた。打っては2回に一時同点のソロ本塁打を放ったが、1点を追う8回無死一、二塁で送りバント失敗し同点機を逃した。
「投球を挽回しようと、余計に空回りしていたんだと思います」
白地に3本線が入った帽子は、夏の第1回大会から予選皆勤を続け24年の第1回選抜にも出場したレジェンド校の象徴。春夏合わせて21度の甲子園出場を誇るが、当時も技術が傑出していたわけではないという。
「打つのがすごい、投げるのがすごいではなく、チームとして、考える力があったと思います。技術では私学にかないませんから」
OBでもある河合孝監督(当時)の口癖は「自分たちで考えろ。臨機応変にやれ」。試合中も相手バッテリーの配球や投手の癖、相手校の攻撃パターンなどを選手間で確認。その結果、前年秋は大阪大会準優勝、近畿大会8強で8年ぶりの選抜切符をつかんだ。
「秋の決勝でPLに(4―14で)大敗し、より野球を突き詰めるようにはなりました」
チーム随一の守備力を誇った遊撃・伊藤昌弘で併殺を奪う確率を高めようと、速いゴロを打たせることにこだわった。「あえて真ん中付近にスライダーを投げていました」。最速135キロでも激戦区を勝ち上がれた裏には緻密な計算もあった。
他部と共有するグラウンドは週2回しか使えず、定時制があったため全体練習も午後5時30分まで。練習、試合ともレギュラー組が最優先だったが、控えとの間に溝はなかったという。「彼らの分までという思いは常にありました。練習でも手を抜くことは許されなかった」。春の府大会で優勝し、夏はPL学園に敗れての準優勝。全ての府大会で決勝進出したように大阪の高校球界をリードした一年だった。
◆井上 雅文(いのうえ・まさふみ)1977年(昭52)12月17日生まれ、大阪府出身の42歳。市岡では1年夏から背番号10でベンチ入りし2年秋からエース。甲子園には3年春に出場。立命大では外野手としてリーグ戦出場を果たした。現在は浪速高校(大阪)で社会科教諭を務める。
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