阪神 川藤OB会長 自宅待機が続く選手へ「これは優勝のための試練」
2020年03月31日 05:00
野球
ピンチはチャンス。自分たちの本分は野球や。マイナスに考えず、物事をプラスにとらえて準備をしてほしい。自宅待機で練習がなくても、ノンビリ休んでる奴はいないはず。やれることを自分で考えて日々取り組んでいる。そう信じて、ユニホーム姿でみんながそろう日を待ってるんや。
今年は楽しみなんや。キャンプから見てきたが、どの選手も底上げが出来とる。楽しいし、何か違うものを感じさせてくれる。
例えば植田海や島田海吏の打撃練習。スイングが大きく変わった。陽川尚将も昨年までのひ弱さが消えた。結果は常に出るわけじゃないが、ヒットを打つ楽しさホームランを打つ喜び。それが分かってきたんだと思う。主力級はより自覚を持ってやってくれている。
ワシはめったに強いとか、優勝できそうとか口にしたことはなかったんやけど、今年は違う。優勝すると考えている。星野仙一さん、岡田彰布が監督で優勝した年でも、この時期そうは思わんかった。
でも、今年は違う。それだけ順調だったが、これも試練や。調子に乗ったらあかん、足元を見つめ直せ、頭を冷やせと、天が時間を与えたと考えてほしい。そうとらえないと、大きなものはもらわれへん。優勝のために必要な試練なんや。
困難は、必ずあるんよ。ワシ個人的には戦力外通告された83年のオフ。チームは85年8月、優勝争いの中で日航機事故で中埜球団社長が亡くなった事件も忘れられない。コロナと同列には出来ないが、事が起こったときに、みんなが一つになって勝つために戦う。それがタイガースの伝統、猛虎魂や。
優勝はマグレでは出来ん。最後は戦力あるところ、そして監督が自分の背中で最後の最後までチームを引っ張ったところが優勝する。2年目の矢野燿大監督も、引っ張ることが出来る男になった。選手も「オレを使わんかい」と刃を向けるくらいの覚悟でシーズンに臨んでほしい。
シーズンは長い。開幕も大事だが、それが全てやない。ポイントは、優勝争いの大詰めのときに戦力として、1軍にいるかどうか。藤浪晋太郎も伊藤隼太も長坂拳弥も、そのチャンスはある。それぞれが一発かましてくれる日が楽しみや。(談)
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