夏の甲子園開催は大丈夫? クリアすべき3つの課題
2020年04月01日 09:30
野球
夏の地方大会は、北海道が6月下旬から各支部予選をスタートさせる。日本高野連は5月中に地方大会の開催可否の方向性を決めたい意向だが、終息の見通しが全く立たないだけに、地方大会を運営する各都道府県高野連は難しい判断を迫られている。もし6月も同様の状況が続けば、さまざまな対策を講じる必要が出てくる。
(1)全関係者・選手・観客の検温 地方大会は10カ所以上の球場を使用する県もある。その全球場に検温態勢を整え、全ての人の測定を行う必要がある。2秒ほどで検温できる非接触型体温計を使用しても、かなりの時間を要するため人員も必要になる。
(2)ベンチやトイレの消毒 センバツの開催可否を巡って高いハードルとなったのが、消毒作業とそれに要する物資や人員、時間の確保だった。接触する可能性があるベンチ内の手すりや壁、トイレも各試合の入れ替えごとに消毒が必要だ。
(3)選手・関係者とその家族の健康管理 家庭内感染も多く報告されており、選手だけでなく指導者や出入りするスタッフの家族の体調管理も必須だ。センバツの開催協議で専門家会議からも指摘されており、100人以上のチームとなれば少なくとも300人以上が調査対象となる。
主にこの3点をどこまでクリアできるかが焦点となる。同一県内でも宿泊を伴うケースもあり、球場外でも宿舎などにも目を配る必要が出てくる。一部には「100%感染を防げない。無観客も検討しなければ」という声もある。ただ、球場使用料、審判や補助生徒の手当・交通費などは夏の入場料収入を充てている県も多い。「選手の安全第一だが、無観客で開催すれば、正直、大会運営の財源が失われてしまう」と不安の声も上がる。
夏に向け、体温計など物資の確保や対策に乗り出している地区もある。春を失った3年生にとっては特別な最後の夏。甲子園への道を開けるのか、先行きはまだ見えない。
《自治体活動自粛要請で「練習量の差は歴然と」》 夏への不安は現場も同じだ。自治体による活動自粛要請で練習ができず、学校によって格差が生じている。関西のある強豪校の指導者は「夏の地方大会がやれるかどうかより、夏の地方大会に備えられるかどうか。現状では練習も満足にできず、いつまで続くのかも分からない。公立と私立との練習量の差は歴然とするだろうし、公立校の中には体力維持すらも難しい学校も出てくるんじゃないか」と指摘する。
私立校の中でも休校に伴う部活動休止で練習できていない高校もある。現在、練習を休止している関東の強豪校の指導者は「夏の大会も危ういのではないか。センバツもなくなり、3年生がこのまま引退なんてことになったら気の毒過ぎる」と窮状を訴えた。球児たちは“見えない敵”に振り回され、夏への不安を募らせている。
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