エンゼルス・大谷 日米初Wヘッダーで6の2、今季5度目マルチで復調気配 自身を巡る監督退場劇も

2020年08月27日 02:30

野球

エンゼルス・大谷 日米初Wヘッダーで6の2、今季5度目マルチで復調気配 自身を巡る監督退場劇も
アストロズとのダブルヘッダー第2試合の6回、見逃し三振に倒れベンチに戻るエンゼルス・大谷 Photo By 共同
 【ア・リーグ   エンゼルス3―6アストロズ、エンゼルス12―5アストロズ、 ( 2020年8月25日    ヒューストン )】 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が25日(日本時間26日)、アストロズとのダブルヘッダーにメジャー3年目で初めてフル出場。1試合目は2打数無安打だったが、2試合目に4打数2安打2打点で3試合ぶりにマルチ安打と打点をマークし、大勝に貢献した。今季初めての内野安打に、自身の打席を巡るジョー・マドン監督(66)の退場劇もあり、初尽くしの一日だった。
 第1試合が始まったのは午後3時9分。第2試合が終わったのは同9時44分。大谷は日米通じてプロ8年目で初めてダブルヘッダーにフル出場し、長い一日を終えた。野球以外に趣味はなく、「試合に出たい」が口癖。コロナ禍による7回制とはいえ、こんな充実感に浸れる日はないだろう。

 敗れた1試合目は無安打だったが、マドン監督が「やられたのでやり返した」と振り返るように2試合目で「倍返し」した。まずは足だ。3回、「大谷シフト」で遊撃の位置にいた三塁手の正面にゴロを打ったが、セーフにした。テレビの解説者が「大股で素早い足の運び、しかも走りだすのが早い」と舌を巻いた今季初の内野安打。10打席ぶりの安打に続き、二盗も決めた。

 9―4の7回1死二、三塁では、右中間への打球で悠々と二塁に到達。英語で足の速い選手を「He can fly」(飛ぶように)と表現するが、実況でも「Flying!」と称えた。試合を決める2点二塁打。復調を感じさせる今季5度目のマルチ安打は、守備練習の効果も大きい。前日の試合前に一塁と外野で打球を追った。マドン監督は「若いのに(DHで)バットを振るだけなら退屈かもしれない。守備練習は打席でも役に立つ」と意図を説明した。

 右肘付近の故障で今季中の投手復帰はかなわない。打者専念を余儀なくされた二刀流にとって、守備練習は体の切れを取り戻すのに最適だ。最後に守備に就いたのは日本ハム時代の14年。マドン監督は「今は練習。すぐに実現しない」と言いつつ「彼はどこでもプレーできる」と言った。

 自身を巡る退場劇も「初体験」だ。6回無死一、二塁。フルカウントからの外角直球は明らかに低く、大谷も自信満々に見逃した。ところがストライクの判定。前日も際どいコースで見逃し三振を喫しており、恨めしげに球審を見た。するとマドン監督が球審に猛抗議し、即座に退場処分に。次の打席で2点二塁打を放ち、鬱憤(うっぷん)を晴らした。

 打率は・183と低いが、下降線には歯止めをかけた。ヒューストンにハリケーンの影響が見込まれることから26日(日本時間27日)、27日(同28日)の試合はなくなった。しばしの休息も完全復活への足掛かりとする。

 ▽大谷のスピード データサイト「ベースボール.サバント」によると、今季の大谷のスプリントスピードは秒速28.7フィート(約8.7メートル)。メジャーの平均27フィート(約8.2メートル)を上回り、両リーグを通じて22位だ。昨季は28.2フィート(約8.6メートル)の134位で走力がアップしている。1位はフィリーズのクインで30.4フィート(約9.3メートル)。日本人野手では秋山が27.3フィート(約8.3メートル)、筒香が24.8フィート(約7.6メートル)。大谷は快足の秋山を上回っている。

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