阪神ドラ1佐藤輝が立てた「1・17」の誓い「感動や勇気を届けるようなプレーができたらいい」

2021年01月18日 05:30

野球

阪神ドラ1佐藤輝が立てた「1・17」の誓い「感動や勇気を届けるようなプレーができたらいい」
ベースランニングする阪神・佐藤輝 Photo By 代表撮影
 1995年に発生した阪神大震災から26年を迎えた17日、阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)が「1・17」の誓いを立てた。震災当時は生まれていないが、自身が育った兵庫県西宮市を本拠地とする阪神に入団したのは運命。被災者に、ファンに感動と勇気、元気を与えるべく、チームのリーグ優勝、そして日本一に向け、貢献することを宣言した。
 6400人を超える死者が出た未曽有の大震災から26年がたった。「1・17」は決して風化させてはいけない――。鳴尾浜球場での新人合同自主トレ開始を前に犠牲者に向け黙とうした佐藤輝は、プロ野球選手としての使命をいま一度かみしめた。

 「被災して、友達だったり親族だったりを亡くされた方もいると思うんですけど、そういう方たちにも感動や勇気を届けるようなプレーができたらいいなと思っています。プロ野球なんで、ファンの方に喜んでもらうのが一番。そこはしっかり頭に入れてやっていきたい」

 震災から4年後の1999年3月に大阪で生まれ、以降は西宮市内で育った。「物心が付いたときには街は元通りというか(影響が)何もなかったので、すごく早く復興したんだなと思っていました」。プロ野球選手になる夢をかなえるべく鍛錬を重ね、ドラフト1位で入団。「地元の星」として夢や希望を与える立場となった。

 11年の東日本大震災では宮城県在住の父方の祖父母が被災。「そこまで被害はなかったんですけど、いつどこでそういうことが起こるか分からない。いつ死ぬか分からないので、後悔がないようにと思ったりはしますね」。そう語る佐藤輝が野球の持つ底力を実感したのが、13年の楽天のリーグ優勝からの日本一だった。

 「東日本大震災(から復興を目指す中)で大変だったときに田中将大投手とかがすごいピッチングだったり、チームが優勝してすごく勇気を与えたと思う。僕らもそういうことができればいいと思います」

 24勝無敗で1セーブ、防御率1・27と圧巻の成績で初優勝に導き、日本シリーズでは胴上げ投手にもなった田中に続く活躍をしたい。新型コロナウイルス感染が再拡大し、暗いニュースが全国を覆う中、虎党をこれ以上なく喜ばせるのは2005年を最後に遠ざかるリーグ優勝、そして85年以来の日本一だ。

 「結果を残すことが一番喜んでもらえることだと思うので、頑張っていきたいですね」

 震災発生当時を知らずとも、勇気に元気、そして感動を届けることはできる。「1・17」の誓いは、自らのバットで必ず有言実行する。(阪井 日向)

 ≪95年リーグ優勝導いたイチロー氏≫阪神大震災が発生した95年、「がんばろうKOBE」を合言葉にオリックスのリーグ優勝に貢献したのが当時22歳のイチロー氏(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)。首位打者、打点王、盗塁王など2年連続シーズンMVPの大活躍だった。佐藤輝も1学年上になるが今季22歳シーズンを戦う。幼少期からイチロー氏に憧れており同様の活躍を問われると「ファンの人に勇気を与えられるのがプロ」と力を込めた。コロナ禍を考慮したうえで「優勝して、できたら一番いい」とVパレードも夢見た。

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