阪神・西勇が新人2人に「教育的指導」、プロの姿勢などを10分説諭「言わない方が先輩として罪」

2021年02月14日 05:30

野球

阪神・西勇が新人2人に「教育的指導」、プロの姿勢などを10分説諭「言わない方が先輩として罪」
ルーキー2人を厳しく指導した阪神・西勇
 ランチタイムのドーム内に何とも言えない緊張感が漂った。ティー打撃をしていた阪神・西勇は、ドーム内にいたルーキーの伊藤将と佐藤蓮を呼ぶと、ここまでのキャンプで野球以外のことで気付いた点を約10分間にわたって説いた。気が付けば、佐藤蓮は正座の体勢で、伊藤将もそれに近い形で聞き入っていた。
 「そろそろ言わないといけないかなと。新人であるべき行動をすることが大事。結果だけを求める世界だけど、鼻についたり、損することが出てくる。言わない方が先輩として罪。今の時代は煙たがられるから誰も言わないけど、絶対にマイナスにはならない」

 新人にとっては初めて参加するキャンプで右も左も分からない。だからといって放置していいわけではない。練習への準備や礼儀、人としてのあり方など自身の考えを諭すように伝えた。宜野座キャンプに参加している投手陣では外国人をのぞき、30歳ながら最年長となる。日頃から後輩の言動を気にかけているが、最初が肝心。投手陣のリーダーとしてあえて苦言を呈した。根底にあるのは自身の経験。オリックス時代に先輩から厳しく指導を受けたといい「嫌われても言ってくれる先輩がいた。うれしかった」。憎まれ役がいたからこそ、今の自分があるとした。

 新人2人も、西勇の思いを理解した。伊藤将は「言ってくれるというのは、気にかけてくれているということ。(今後は)目配り、気配りをして、しっかり行動していきたい」と実践することを約束すれば、佐藤蓮も「ルーキーとしてどうあるべきか、話してもらった。メリハリができればという話をしてもらいました」と話の一端を明かした。

 昨季までは引退した藤川や移籍した能見(現オリックス)らが後輩教育の役割も担っていたが、今季はエースが、その職責を果たす構え。「自分もまた戒めで」。自らも律し、チームの一致団結に向け先頭に立つ。(長谷川 凡記)

 《開幕投手へ視界良好》西勇はこの日、ブルペンで連日の100球を超える106球を投げ込み、カーブの精度向上にも取り組んだ。今クールは計300球をノルマに設定しており「もうちょっと。明日も100球ぐらい投げたい。肩の調子も良い。(次クール以降)もう1回200球投げて、シート投げてオープン戦。自分の体の具合で」と今後の見通しも口にした。決定的となっている開幕投手へ向けて視界は良好だ。

 【阪神の主な選手指導アラカルト】

 ▽08年2月14日矢野輝弘→筒井和也 ブルペンで投球を受けていた際に、練習に対する目的意識の低さを指摘。「だから試合で(日本ハムの中田に)いかれんねん!」としかり飛ばした。その後、サブグラウンドでも説教は続き筒井は正座で聞き入った。

 ▽12年1月9日藤川球児→2軍投手陣 トレーニングのため鳴尾浜球場を訪れ、投手更衣室の汚さに「残念」という言葉を繰り返す。「久しぶりに来て、ブルペン小屋が汚い。残念だった。見られている意識を持ってほしい」。

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