【大野豊氏―広島・栗林 特別対談(下)】負けず嫌いな実戦派「ブルペンでは全力で投げても140キロ」

2021年03月03日 06:01

野球

【大野豊氏―広島・栗林 特別対談(下)】負けず嫌いな実戦派「ブルペンでは全力で投げても140キロ」
 <広島> 対談する大野豊氏【左)と栗林 (撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 大野 初めてのキャンプが終わった。いまの状態はどうだろう。
 栗林 実戦で投げさせてもらって、いい調整ができました。ベストに近い状態にまで来ているので、ここからさらに上げていきたいと思います。

 大野 実戦3試合で無失点といい結果が出たよね。社会人とプロの違いは何か感じる?

 栗林 プロ野球選手の間(ま)は社会人とは違って独特だな……と感じます。どんどん吸収して、プロの雰囲気に慣れていきたいです。

 大野 特に中継ぎは、回の入りが大事になってくるよね。

 栗林 初登板だった(2月17日の)巨人戦でプロの1球目がベース前のすごいところでのワンバウンドでした。そこからある程度修正できて三振を取れたり、ボール先行ではあったけど、抑えることはできました。(中継ぎの)適性があるかどうかは分からないですけど、1イニングを全力で投げ切ることはできるのかなと思います。

 大野 打者の反応も見られたと思うんだけど、自分の一番の持ち味は何だと思う?

 栗林 フォークはプロでもある程度、通用しているのかなと感じています。いまはフォークに自信を持って投げています。

 大野 直球も150キロ出るからね。カットボール、カーブも投げられるけど、他の変化球の仕上がりは、どれぐらい満足している?

 栗林 カーブに関しては、社会人の頃の方が確率も高くて、曲がり方もしっくりと来ていました。カットボールは、いままでは横に大きく曲がっていたけど、大瀬良さんとか森下にアドバイスをもらいながら、少しずつ本当のカットボールに近づいてきているのかなと思います。

 大野 まだ高めないといけない部分を挙げるとすれば、どこかな?

 栗林 自分の中ではコントロールが課題です。ストライクを投げるだけではなくて、コースに投げ切るコントロール。初球と最後の決め球は別物だと思う。狙ってボール球を投げられるとか、そこをしっかりと区別できるようにしたいです。

 大野 私も中継ぎを経験したけど、抑えとなると制球力が非常に大事。自分の投げる球以外に、自分自身の気持ちのコントロールも必要なんだよね。制球の修正はできる方だと見ているんだけど。

 栗林 社会人の9回と違って、プロは投げるプレッシャーが違ってくる。そういうところも早く感じ取りながら、プレッシャーに負けないように、自信を持って投げられるように、練習からやっていくことが一番大事だと思います。

 大野 社会人時代の映像を見て制球も素晴らしいと思った。いまは疲れもあるだろうしね。自分の力は、まだこんなもんじゃないという感じだと思う。

 栗林 元々ブルペンでコントロール良くどんどん投げられるタイプではないので……。

 大野 そうなんだ。実戦向きなんだ。

 栗林 実戦向きというか打者が立つとスイッチが入ります。ブルペンでは全力で投げても140キロぐらいしか出ないです。

 大野 そういう一面も踏まえて、自分の性格はどう分析する?

 栗林 負けず嫌いな性格です。ピンチになれば、ギアを上げて投球してきました。

 大野 社会人を経験したことで、性格が変わったりしたかな。

 栗林 すごく変わったと思います。大学の頃は自分一人でやっていたというか、自分のために野球をやっていた。大学のころはヤジひとつですごくイライラして、ヤジと戦っているような感じだった。社会人に入って、会社のために、応援してくれる人のために野球をやるようになってから、チームのために投げられるようになりました。自分のためにやるのではなくて、応援してくれる人のために野球をやるというのは、社会人に入って学んだことです。

 大野 いま言ったことは非常に大事だと思う。自分一人が良ければ……ではなくて、誰かのために頑張ると非常に大きな力になるし、考え方も変わってくると思う。さすが社会人を経験しているから受け答えがしっかりしているし、自分の意見もしっかりと言えるし、頼もしいよ。

 栗林 ありがとうございます(笑い)。

 大野 開幕は中継ぎとして迎えることになると思うけど、もし本当にやってみたいポジションは……と聞かれたらどう答える?

 栗林 社会人の頃は、基本的に先発だったんですけど、先発にこだわりがあったわけではなかった。投手になったのも、投手がいないからやり始めたのがきっかけでした。チームの勝利に貢献できるなら、先発でもリリーフでも監督、スタッフが期待してくれるポジションで全力を尽くして結果を残したいなと思っています。

 大野 1年間、1軍で完走と目標に挙げているよね。もっと大きな目標もあるんじゃないかな。ズバリ新人王!

 栗林 新人王ということはチームの勝利に貢献しているということ。まずは1年間、1軍で戦うことが即戦力として必要なことなのかなと思っていて、最終的に新人王を獲れればいいなとは思います。

 大野 それでは最後に、読者のみなさんに向けて、今年の目標を聞かせてください。

 栗林 まずは開幕を1軍で迎えて1年間しっかりと1軍で戦うことが最低限の目標です。1年間ケガなく戦う。そして、結果にもこだわって、新人王を獲れたらいいなと思います。ありがとうございました。

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