牛島和彦氏 巨人・菅野の幅をさらに広げるカーブ 試合で使える段階の完成度

2021年03月04日 19:44

野球

牛島和彦氏 巨人・菅野の幅をさらに広げるカーブ 試合で使える段階の完成度
<巨・ヤ>2回1死一、三塁 浜田をカーブで、空振り三振に打ち取る菅野(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 【オープン戦   巨人3―2ヤクルト ( 2021年3月4日    東京D )】 【牛島和彦 視点】菅野は順調にきている。100%納得がいくとまではいかないだろうけど、3イニングで打者10人に投げ、外野フライが1個だけ。三振2個を除けば、内野ゴロが5個とほとんどゴロで仕留めた。ボールも低めにきていたし、豊富な球種で的を絞らせなかった。
 この日見たカーブは面白い存在になる。指の使い方を見ていたら、スライダーに近い感じも受けた。カウント球ではなく、追い込んでからの決め球に選択していた。腕を十分に振っていて、あの曲がりだから、打者は振ってしまう。2回浜田の三振の場面はフルカウントから投げられるのだから、相当自信もあるのではないか。フルカウントからは、納得いく球種以外は投げづらいもの。試合で使える段階なのだと思う。

 菅野には150キロの直球がある。そこへの意識が打者はあるから、あの緩急差に対して待ち切れない。次はカーブへの意識を打者に刷り込めれば、今度は逆に直球で差し込める。ますます幅が広がる。

 私も若い頃はプレートの三塁側から投げ、その後一塁側へ移った。すると右打者は「カーブの投げ出しが自分の方に出てくるように感じる」と嫌がっていたと聞く。結構変化もあったので、私自身右打者の顔目がけてリリースしないと、真ん中に決まらなかった。審判がストライクという球でも、打者は避けてくれているケースもあった。投げ損じた高めのカーブは一番危ない球なのだが、打者も想定にないため打ち損じや空振ることもあった。ミスなんだけど、そのリスクが半減する面もある。

 小川は直球の切れが良かった。空振りも取れていたし、ファウルで差し込めていた。失点こそしたが、打ち取った当たりがほとんどで、会心のヒットはほぼ打たれていない。菅野同様に順調に段階を踏んでいると思う。(スポニチ本紙評論家)

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