運命を変えた飛び込み営業 BC茨城・薄井章太郎は上から上沢、下から高橋礼に変身

2021年06月23日 13:43

野球

運命を変えた飛び込み営業 BC茨城・薄井章太郎は上から上沢、下から高橋礼に変身
アンダーススローで投じるBC茨城・薄井章太郎投手 Photo By スポニチ
 ルートインBCリーグ・茨城に異色のルーキーがいる。薄井章太郎投手(24)はオーバースローとアンダースローを1球ごとに使い分ける変則右腕だ。18日の埼玉戦は5番手で救援登板し、1失点で負け投手となったが、1回1/3を無安打2奪三振の好投を見せた。
 まさに一人二役。7回は元楽天の4番・フェルナンドに全て下手投げで空振り三振、8回は7番・山口に上手投げと下手投げのミックスで空振り三振を奪い「ピンチでも粘って投げきることができてよかった。絞りづらさを武器にカウントを稼げている」。BCリーグのシーズンが開幕して3カ月。持ち味を発揮できるようになってきた。

 千葉・専大松戸では高橋礼(現ソフトバンク)の1学年下で内野手と投手でプレー。名将・持丸修一監督の勧めで2年秋に上手から下手投げに転向。目に焼き付けた高橋礼のフォームを自らの体に落とし込み、完成度を高めた。

 専大に進学後は投手一本に絞ったが、怪我の影響もあり、卒業を機に野球を引退。証券会社に就職し、配属された福島・いわき市で飛び込み営業を行っていた際、いわき菊田クラブの川辺勝紀監督宅を訪問したことがきっかけとなり、もう1度白球を握ることになった。

 いわき菊田クラブで上手投げと下手投げの二刀流に挑戦。変則投法に自信を深め「このスタイルでどこまでできるか挑戦したくなった」と今年1月に証券会社を退職。NPB入りの夢を叶えるためにBCリーグ・茨城に入団した。営業で優秀な成績を残していたが「自分の力を試す挑戦がしたかった」と後悔はない。

 「良い投手の真似をすることが上手くなるための近道だと思います」。母校・専大松戸のOB2人の投球を動画で研究。最速142キロを計測する上手投げは日本ハム・上沢、制球力抜群の下手投げはソフトバンク・高橋礼を教科書に技量を高めている。

 「もっと圧倒するくらいの力を手に入れたい。1つずつ課題をクリアしてNPBにいきたいです」。先輩たちと同じマウンドを目指し、挑戦は続く。(柳内 遼平)

 ◇薄井 章太郎(うすい・しょうたろう)1997年1月12日生まれ、茨城県ひたちなか市出身の24歳。高崎市立片岡小2年で野球を始める。片岡中学では軟式野球部でプレー。専大松戸では1秋からベンチ入りで内野手兼投手。専大では投手としてプレー。1メートル80、87キロ。右投げ右打ち。

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